今日8月9日、福島市で、「原子力災害からの福島復興再生協議会」を開きました。いわゆる「国と地方の協議会」で、今回で9回目になります。国からは、「復興・再生に向けた取り組み状況」「第1原発の廃炉・汚染水対策」「除染・中間貯蔵施設」について報告をし、福島県からは、現下の問題と平成27年度予算への要望が説明されました。また福島側の出席者から、それぞれ意見が出ました。
工事が進み、めどが立った津波被災地区と違い、原発事故被災地は、まだまだ課題が大きいです。今日も、たくさんの課題が指摘されました。資料は、おって復興庁のホームページに載せます。
→資料が復興庁のホームページに載りました(8月11日)。
ただ、誤解を恐れずに言うと、福島の復興も、だんだんと道筋が見えてきたと考えています。
初めてこの会合を開いたのは、3年前の8月でした。事故が起きて5か月後です。その立ち上げに参画しましたが、会合を開くこと自体が、難しかったのです。
「加害者」の一員である国と、「被害者」である県や地元関係者とが、会議を持つことが難しかったのです。場所も福島にして国が出て行くこととし、ようやく開催できました(私は、この場合は東京ではなく、当然地元福島で開催すべきだと考えていました。2011年8月27日の記事)。
会議の雰囲気は、出席していた私にとって、凍り付いたようなものでした。信頼関係が壊れていたのです。地元側から、お叱りばかりを受けました。指摘される問題について、国は的確に対応できていなかったのです。当時は、さまざまな課題に対して対策が追いつかず、後手後手に回っていました。そして、道筋も見えていませんでした。当時は、協議会の議題を何にするか、課題の整理から議論していたのです。当日は、予定していた時間を大幅に超えて、会議を延長しました。
その後、放射線量に基づき、地域ごとに避難指示区分を定めました。賠償も次々と基準が示され、それに基づき支払いを行っています。除染計画もでき、作業も進めています。原子炉の状態も安定し、汚染水対策も進みつつあります。
全国に避難した被災者も、所在を把握しています。避難指示を解除できた地区もあり、解除に向けて作業を進めている地区もあります。
「早期に帰還することができる地区」「待っていただく地区」「新しい生活を選ぶ方」に分けて、対策が進んでいます。大きな道筋が見えてきたのです。そして、きめ細かに現地の課題を吸い上げることで、課題も見えて、対策が後手に回らなくなりました。何が進んで、何が進んでいないか。そして何に時間がかかるかが、見えてきたのです。
もちろん、まだまだ復興には至っていません。廃炉や除染には、長い時間と大変な作業が必要です。しかし、道筋が見えてきたことで、議論がかみ合い、課題も明確になりました。それを解決していけば良いのです。今日は地元側出席者から、「国も良くやっている」と、評価の声もいただきました。私は、会議中と帰りの新幹線の中で、3年前、2年前、去年の会合を思い出しながら、違いを考え、感慨にふけっていました。
被災者の皆さんには、大きな被害を与え、またご苦労をおかけしています。時間がかかりますが、政府の力を総動員して、解決していきます。