毎日新聞「隣国のホンネ」7月29日は、李ビョウ・香港フェニックステレビ東京支局長の「関係冷え込む今こそ客観的な報道を」でした。
・・震災発生時の東京からのリポートで、津波が沿岸に押し寄せる映像を紹介していたら涙があふれ、途中で声を詰まらせてしまいました。これは中国のインターネット上で「なぜ日本人のために泣くのか」と批判されましたが「感動した」「被災者を早く救援すべきだ」といった声も少なくありませんでした。
毎年8月15日には靖国神社で取材していますが、中国語でリポートをしている最中に石を投げられたり、「出て行け」と追いかけ回されたりしました。靖国神社を取材するのは勇気がいりますが、中国での関心は高く、欠かすことができません・・
中国版ツイッターでも、発信していることに関して。
・・短い発信でも短時間で数百のコメントが寄せられるのですが、2012年9月以降、私に対する批判はどんどん増えてきました。私は報道をする時、日本政府の発表をよく引用しますが、事実関係を伝えるだけでも「売国奴」「中国に帰ってこなくていい」などと書かれます。最近は数が多すぎて、見ないようにしています。中国国内でナショナリズムがますます強まってきたことの表れでしょう・・
・・両国でより強硬な政策を求める世論の圧力が高まっており、それに政府やメディアが押されているように見えます。両国に潜む「内圧」とも言えると思いますが、これこそ最大のリスクではないでしょうか。この圧力を乗り越えていくためには、一人でも多くの人が相手の国の事情や考え方を深く理解する一方、日本での過激な排外的言動や中国での反日デモで見られた暴力などに対する危機感を持ち続けることだと思います・・