7月17日の朝日新聞朝刊に、「復興前線、やる気官僚」という記事が載っていました。
・・被災自治体にかつてない数の中央官僚が出向している。待ったなしの復興の現場で、あるべき国と地方の関係が芽生え始めている・・という書き出しです。
被災地の市町村役場に、求めに応じて、霞が関の若手官僚が、たくさん派遣されています。被災地の小さな自治体では、これまでにない大きな課題を、たくさんこなさなければなりません。外部人材が、土地や役場内での「しきたり」にとらわれずに、腕をふるうことが期待されています。
若手官僚にとっても、現場で経験を積む良い機会です。霞が関で日本全体を相手にしていると、自分が作った政策でも、現場での実際や成果が見えないのです。それに比べ、現場では、できたかできなかったか、結果が直ちに見えます。
もっとも、現場で腕をふるうことは、そう簡単ではありません。多くの職場は官民を問わず、規則に定められた公式の権限(オモテ)とともに、人間関係やしきたりといった非公式の進め方(ウラ)で、仕事が進みます。前例のない仕事の場合、しがらみを断つために、外部の人材が腕を発揮できる場合があります。しかし、事態が落ち着いてきて、また長期間になると、「非常時の仕事の進め方」は通用しなくなります。組織は人間関係で動いています。法律論や理論、あるいは偏差値だけでは、仕事は進みません。そこで、どのように地元のしきたりと折り合いをつけるか。経験と力量が試されます。
それぞれに、苦労しているでしょう。しかし、それが勉強になるのです。がんばれ。