最も簡単な指標である「復興に向けた道のりと見通し」を更新しました。平成26年6月現在なので、平成25年度末(26年3月)までの数字が載っています。避難者は、まだ26万人おられます。がれきは、岩手県と宮城県で全て片付きました。高台移転は9割で着工し、公営住宅は7割で着手しています。医療、教育、産業施設は、着実に復旧しています。市原君、ありがとう。
月別アーカイブ: 2014年6月
政策を支える知的基盤・政策共同体
防衛省の防衛研究所が、『東アジア戦略概観 2014』を公表しています。この分野は私の専門ではないので、内容については、本文を読んで頂くとして、今回紹介するのは、「知的基盤」と「戦略文書の機能」についてです。
まず、知的基盤について、国家安全保障会議の設置を評価した上で、次のように述べています(p43)。
・・国家安全保障会議および国家安全保障局はあくまで、日本の安全保障政策を質的に「進化」させていく上での前提となる組織であり、それによって日本の安全保障政策における戦略性が自動的に高まっていくわけではない・・
・・現在進められている安全保障政策における改革が実現した後で必要になるのは、これまでのように「進化」の「入口」としての組織や法制の在り方を議論することではなく、日本の安全保障と地域の安定を達成する上で必要な政策課題そのものを深く議論し、使用可能な政策手段を組み合わせていくことである。そのためにこそ、国家安全保障戦略、2013 年防衛大綱および2013 年中期防のいずれにおいても強調されている知的基盤の充実が重要となる。しかしながら、日本の知的基盤を支えるシンクタンクや人材の層は、英米豪に比べて脆弱である。まさにこの分野における努力こそが、今後の日本の安全保障政策において、これまでよりもはるかに重要な意味を持つことになろう・・
私は、ここで述べられている知的基盤を、「政策共同体」と呼んでいます(例えば、2005年9月11日)。その政策分野の専門家、すなわち官僚、学者、研究者、マスコミが意見を交換し、ある程度の共通認識を持つ「場」です。簡単な指標は、専門誌と学界があり、マスコミに解説が書ける記者と研究者がいることでしょうか(政策専門誌について例えば、2010年4月12日)。大学に講座があり、シンクタンクがあれば、より安定的、本格的です。
地方行財政にはあるのですが、霞ヶ関の各分野には、必ずしもそろっていないようです。現場と研究者、そしてそれを広報・解説する者がいなければ、政策は現実性を失い、他方で先見性を失います。現場と研究者の交流と、国民への周知が必要なのです。
少し話題は広がりますが、イギリスBBCがいくつもの言語でニュースを流しています。では、日本でそれができるか。そのためには、それを支える、現地の事情や言語に通じた関係者が必要です。そしてその人たちが「食べていける」だけの、条件が必要なのです(2006年欧州随行記3)。
放棄される土地
かつて日本人にとって、土地は最大の財産でした。武士が争ったのは、土地を巡ってです。百姓も、わずかな田畑を争いました。一生懸命も、語源は「一所懸命」で、土地の所有に命をかけたのです。土地をたくさん持っているのが、庄屋であり名家でした。
戦後改革において、農地解放が大きな影響をもたらしました。その後も、「土地本位制」といわれるくらい、日本人の土地信仰が続いています。バブルも、土地への投機が原因の一つでした。東京の地価は、今なお高いです。
他方で、所有者の不明な土地が増えています。大震災からの復興の際に、山林を切り開いて宅地を作るために、用地を買収する必要があります。ところが、場合によっては、土地の登記名義が明治時代のご先祖様のままになっていて、その子孫を追いかけるのが大変なのです。
かつては、跡取り息子が一人で相続したのですが、子どもが平等に相続することになりました。しかし、山林の価値が低下したことと、他方で手入れにカネがかかるので、うやむやになってしまいます。そのうちに、本家の孫は東京に出てしまい、山林どころか家までも放置される、といった事例もあるようです。耕作放棄地もそうでしょう。条件の悪い山林や農地は、財産でなくお荷物になったのです。
東京財団が、『国土の不明化・死蔵化の危機』(2014年3月)という報告書を公表しています。
復興での男女参画
復興庁では、男女共同参画も重視しています。女性が活躍している事例や、女性を支援している事例を、ホームページで紹介しています。女性だけでなく、子どもや障害者など、あらゆる人たちが住みやすいまちづくりという観点です。
今回、新たに14事例を追加しました。仕事の支援、遊び場や交流の場つくり、心のケアなど、さまざまな取り組みがなされています。ごらんください。
インフラと住宅が復旧しただけでは町の復興はできないことを、何度も繰り返しています。生業の復興、健康や暮らしの復興が重要なのです。その際に、ハンディを持った人たち、心が傷ついた人たちを、忘れてはなりません。NPOや地域の方々の協力によって、各地でさまざまな努力がされています。ありがとうございます。このような意識を高め、認識を広げることも、政府の重要な役割です。マスコミの報道にも期待しています。
eメールの不具合
先日、自宅のパソコンのメールを開いたら、「未開封」が1万通あるとの表示が出て、とっとこととっとこと次々メールが届きました。「何じゃこれは」とよく見ると、2012年6月以降のメールが、再度届いているのです。素人の悲しさ、何が起こっているのかわかりません。仕事場だと、専門家がすぐに診断してくれるのでしょうが。
プロバイダーのニフティに問い合わせても、「ご連絡いただきました情報から、お客様のメールサーバーでの記録を確認いたしましたところ、ご申告の日時にあらためて大量にメールが受信した記録は、確認できませんでした。
また、現時点ではメールサーバーにて障害やメンテナンスは発生していないことから、ご利用のメールソフトのアカウントが正しい動作で反映ができなかった可能性が考えられます」とのこと。
私のパソコンが、ニフティのサーバーに、再度メールをもらいに行ったのでしょうね。なぜこんなことが起こったのかわからないまま、えっちらおっちら、1万通を削除しました。これは簡単でした。未開封の印のメールをサッサとまとめて削除すればよいのです。現在は、それが「ゴミ箱」に入っているので、それを削除しているところです。
これは少し面倒です。「ゴミ箱」にあるメールも、いくつかは記録のために保存してあるので、それを除いて削除しなければなりません。まあ、懐かしいメールがたくさんあります。「こんなこともあったなあ・・」とです。日記を読み返しているようなものです。
でも、2年間で1万通です。便利になったのやら、これにどれだけの時間をとられているのやら。