会社が求めるのは大学の成績だけではない

朝日新聞5月23日オピニオン欄、ニューヨークタイムズからの「グーグルが求める人材5条件」から。
・・世界で最も成功している企業の一つ、米グーグルで採用責任者を務めるラズロ・ボック人事部門担当上級副社長は昨年6月、ニューヨーク・タイムズ紙のアダム・ブライアント記者のインタビューでこう述べた。
「大学の成績評価(GPA)は採用基準として価値はなく、試験の点数は何の役にも立たない。こうした数字からは何も予測できないことがわかった」・・
・・「全社的な採用条件は五つある」という。「技術関連の仕事なら、プログラミング能力を評価する。仕事の半分は技術職だ。ただし、どの仕事においても我々が一番求めているのは、全体的な認識能力であり、知能指数(IQ)ではない。認識能力とは学習する能力であり、状況に応じて処理する能力であり、種類の異なる情報の断片を組み立てる能力だ・・
・・次に求めるのは「従来型のリーダーシップではなく、創発的なリーダーシップ。従来型は、チェスクラブの会長だった、販売部門の部長だった、どれくらいの早さでその地位に就いた、とかだ。そんなことはどうでもいい。重視するのは、問題に直面したときに適切なタイミングで進み出てチームをリードできるかだ。同じく重要なのは、自分は後ろに下がり、指揮をとるのをやめ、ほかの誰かに任せられるかだ。実行力のあるリーダーに重要なのは、いつでも権力を手放す覚悟だからである」・・

初夏の日曜日

今日の東京は良い天気で、暑いくらいでした。昨日は出かけたので、今日は静かな職場で、いくつかの懸案を処理。明日朝、職員が直ちに処理できるように、担当参事官の椅子の上に指示書を置いたり、メールで指示を出しておきました。ごめん、H1参事官、H2参事官、S参事官。
今日も、何人かの職員が出勤していました。また、昨日のうちに、メールで私に報告をあげてくれた職員もいます。申し訳ない。
早々と仕事を切り上げて、紀伊國屋に。読まないであろう本を買い込み、そそくさと帰宅。今朝家を出るときに、玄関横の椿の葉っぱに、チャドクガの幼虫がびっしりとついているのを発見したのです。直ちに葉っぱごと捨てましたが、風通しを良くするために、剪定することにしました。枝と葉が元気よく茂って、そろそろ剪定しなければならないと思いつつ、先延ばししていたのです。
素人がやると、切り込みすぎましたかねえ。スカスカにしてしまいました。キョーコさん曰く「枯れないかしら」。

地方財政学会、福島大学

今日5月24日は、地方財政学会(福島大学)で、シンポジウム「原子力災害と地方自治体」に出席しました。私は会員なので、当然の義務です。遠藤雄幸川内村長の現場からの報告とあわせ、福島の復興の現状と課題をお話ししました。
もっとも、持ち時間が20分なので、詳しくはお話しできません。しかし、短時間に何をしゃべるかを考えることは、頭を整理する良い機会です。講演会では、しばしば、しゃべりたいことが多くて、さらに時間が足らなくなることがあります。皆さんも、経験があるでしょう。
もし、「持ち時間5分」といわれたら、何をしゃべるか。最低限、何を伝えるか。それを考えることは、良い訓練になります。講演会だけでなく、大臣など上司への説明の時間が短くなった場合(これはしばしば起こります)や、お客さんに説明する場合などにも、共通します。
さらに講演会では、私が話したい内容とともに、観客が何を聞きたいかも、重要です。すると、観客の皆さんに、「今日は何を持って帰ってもらうか」を、考えなければなりません。そして多くの場合、観客は、話の内容について素人です。だからこそ、講演を求められるのです。同業者との討論と違い、知識の十分でない方への語りは、それなりに工夫が必要です。
私の場合は、必ず事前に、主催者に、観客がどのような人たちか、そして私に何を期待しているかを確認します。それから、まずレジュメを作ります。それに合わせて、資料をそろえます。その段階では、とても時間内に収まりそうもないくらいの資料になります。それからもう一度、レジュメを再考し、資料を思い切って削ります。
それでも、しゃべっているうちに、時間が足らなくなります。話の途中で、わかりやすいように、あるいは観客の注意をひくために、実例を入れたりして、脱線するからです(反省)。でも、レジュメに、今日持って帰ってもらうことは書いてあるので、大丈夫です。私は、パワーポイントは嫌いです(2011年11月6日の記事)。
会場では、旧知の学者の方々と、久しぶりに挨拶を交わすことができました。「早く、『新地方自治入門』を改訂してください。授業で使っているのです」という要望もありました。すみません、本業が忙しくて。また、近年は地方行政の現場から離れているので、難しいです。後輩たちに、期待しています。
帰りは某有名新聞記者につかまって、東京駅まで新幹線中で、地方行政、過疎地のあり方、地方振興について、議論を続けました。

国会審議

今日5月23日は、参議院復興特別委員会で審議がありました。昨晩は、遅い議員では、19時50分に質問項目の通知があり、職員が議員会館に行って説明を受けたのが22時までかかりました。
私は、夕方から、順次できあがった答弁案を確認しましたが、最後の問が送られてきたのが、27時5分でした。う~ん、今日は眠かったです。
ある人曰く、「××党は、労働者(公務員)の味方じゃないなあ・・」。
審議では、寺田典城議員と、復興のあり方について議論しました。議員のご指名です。
一つは、「復興交付金」の効果です。これまでの災害では、元に戻すまでしか国費は出ませんでした。今回初めて、復旧だけでなく、復興までできる、この交付金を作ったのです。「もっと自由に使いたい」との声があることは承知していますが、国民の税金である以上、使用目的を決めなければ、説明責任が果たせません。
「一定額を渡しきりにすれば良い」という意見もありますが、各自治体ごとの金額をどのように決めるか、これは難問です。なお、別途、取り崩し型基金を渡してあり、これは自由に使えます。
もう一つは、人口減少下での、まちづくりです。これについては、住民の減少を反映して、高台移転やかさ上げの規模を見なおしています。また、女川町や岩沼市のように、コンパクトシティを目指している町もあります。
議員の指摘の一つは、「他の多くの自治体では、そこまでコンパクトにできていない」という指摘です。それは、事実です。復興の際に、多くの集落を一つに集約する方が、経済合理性に沿っているのですが、多くの町ではふるさとへの愛着があって、集約することができなかったのです。経済性か、住民の愛着か。難しいところです。
また、「過大な町や施設をつくると、後々の維持管理費が自治体の重荷になる」という指摘です。これは、その通りです。自治体と協議を重ねて、困らない規模にする必要があります。

公務員も安心しておられない、2

昨日の「公務員も安心しておられない」を読んだ方(複数)からの反応。
「ここには、40歳代が対象と書いてあります。私は50歳代ですが、もう遅いのでしょうか」
「公務員は職務専念義務があるので、現役の間は再就職先を探してはいけない、と聞いたことがあります。また、副業も禁止されています。第2の人生を、いつ設計したら良いのでしょうか」