・・複雑化し、多様化した世界をどう読み解くか、政党間での論争をますます活発化していかねばならない。他方、成長を見込めない以上、内政をめぐる選択肢は狭まっている。
アメリカの影響力に陰りが見られ、中国が台頭する東アジアにおいて、いかに日本の発展と安全保障を確保するか。そして、どのように財政と社会保障を再建するか。世界をめぐる有効な見取り図を示すとともに、21世紀における日本の社会像を示すことが与野党の最大の任務である。
当然、一筋縄ではいかない。利害はぶつかり合い、特定の政策課題にのみ目を向ければ、他の政策課題と矛盾をきたす。政党はなるべく多様な声に耳をすまし、矛盾や対立を調整する大きなデザインを描かなければならない。そして、そのような大きなデザインが複数あり、それを国民が選べるようにしなければならない。
いずれの政党も自らが政権に就くときに備え、世界と日本の整合性のある見取り図を作り続けることが肝心だ・・