2月6日のNHKニュースによると、去年1年間に都内で発生した振り込め詐欺の被害額は87億円余りで、前年を6億円も、上回っています。金融機関の職員が詐欺だと見抜いて声をかけることで、被害を防いだ例が話題になりますが、他方で、思いとどまらないまま、現金をだまし取られている実態がなまなましく伝えられています。
・・調布市に住む70代の女性は、去年3月、おいをかたる男から「かばんをなくし、現金が必要になった」とオレオレ詐欺の電話を受け、現金400万円をだまし取られました。現金を引き出しに訪れた銀行の窓口では、顔見知りの行員が繰り返し現金の使いみちを確認してきたということです。
女性は、行員がオレオレ詐欺の可能性を疑っていると感じ、とっさに「おいのため」という使いみちを隠し、「一緒に暮らす孫のために家を改修する」とうそをついて現金を引き出したということです。
女性は「振り込め詐欺の手口はよく知っていたし、自分は絶対にだまされないと思っていました。現金を下ろしたときも、まさか自分がだまされているとは思わず、止められないようにと、必死で演技をしていました」と話しています・・