次のようなニュースが載っていました。NHK1月21日。
・・自民党の総務会は、政府の日本経済再生本部が決定した経済の成長戦略の実行計画案について、「政府から事前の説明が一切なかった」として、政府側が求めていた21日の了承を見送りました・・
月別アーカイブ: 2014年1月
最も簡単な復興進捗状況表
復旧・復興の実績と今後の見通しを、主な指標を用いてわかりやすく示した「道のりと見通し」(2ページの表)を、改訂しました。ご利用ください。
賢い鳥たちのごちそう
毎日、拙宅の周りで、多くの小鳥が騒ぎます。まあ、賑やかなこと。お向かいの庭にある、柿の木の実が目当てです。渋柿なのですが、この時期になると甘くなります。いくつか、我が家もお裾分けをいただいたのですが、まだまだ鈴なりの実を、残してありました。
秋口に身が赤く(黄色く)なっても、小鳥たちは見向きもしません。ところが最近になって、朝昼に、大群でやってきます。あっという間に、木の上半分の枝になっていた実が、なくなりました。賢いですね。
地元の魚料理のコンテスト
1月18日、今度の土曜日に、東京六本木で、「魚の国のしあわせ Fish-1グランプリ FINAL」が開かれます。ご当地の魚のグルメコンテストです。最終選考に、富山県魚津市の「バイ飯」=バイ貝を使った混ぜご飯が、入っています。
地元応援団から、「優勝できるように、宣伝せよ」との指令が来たので、このページで紹介します。
富山時代には、食べたことがなかったですが、見るとおいしそうです。お時間のある方は、ぜひ試食して、1票入れてください。(2014年1月16日)
残念ながら、魚津の「バイ飯」は、準グランプリだったそうです。優勝は、山形の「どんがら汁」です。会場が非常に寒く、唯一暖かい汁物だったことが勝因ではないか、との分析です。季節が秋だったら、違った結果になったかも(苦笑)。
国家はなぜ衰退するのか。制度の重要性
ダロン・アセモグル、ジェイムズ・ロビンソン著『国家はなぜ衰退するのか―権力・繁栄・貧困の起源』(2013年、早川書房)を紹介します。貧しい国と豊かな国がなぜできるかについては、関心があるのですが、昨夏に出版されたときは、「いくつもある見方の一つだろう。まあいいや」と読みませんでした。書評で取り上げられていたので、年末年始の休みに読みました。
著者たちの主張は、経済的発展の違いは、地理的条件でも、気候の違いでも、文化の差でもない。為政者の無知でもない。問題なのは、政治経済の制度である、というものです。古代から現代まで、アフリカから中南米まで、具体的な例が豊富に検証されています。近いところでは、アメリカとメキシコの国境に接する2つの市や、韓国と北朝鮮が隣り合っていながら、なぜこれだけ経済発展に違いがあるのか。近代において、イギリス、アメリカ、日本などが経済発展に成功しながら、それまで栄えたスペイン、中南米、中国が取り残されたのか。
経済を発展させるのは、私有財産制度、自由主義市場経済であり、それを保障する民主主義が必要なのだということです。それら「制度」が組み込まれた社会が、発展するのだと主張します。独裁下や天然資源があることだけでは、一時的な発展はありますが、永続はしないのです。その主張には、納得できます。ご関心ある方は、お読みください。
ただし、次の2つの点を指摘しておきます。
一つは、このような経済発展と社会の安定は、近代と現代においてなり立つものであって、古代社会などに当てはめるのは無理があると思います。例えば、古代エジプトや平安時代の日本には、この物差しは当てはめられないでしょう。著者は、古代ローマやマヤ文明にも当てはめていますが、そこまで射程を広げると、「制度」の内容が曖昧になります。
二つ目は、文化の要素です。私は、拙著『新地方自治入門』で、地域の財産を、自然環境、公共施設、制度資本、関係資本、文化資本に分類しました(p190)。著者のいう「制度」は、私の分類では、公共施設と制度資本にかなり重なります。しかし、民主主義を支える意識や、治安の良さ、他人を信頼する関係など(関係資本と文化資本)は、民主主義や市場経済を支える重要な要素です。彼らが言う「制度」の重要性は否定しませんが、それを成り立たせるには、国民の「文化」が必要なのです。もちろん、これらの文化は、一定の経済発展があり、社会の安定があってこそ、育つのですが。
著者は、違いを「包括的な経済制度・政治制度」と、「収奪的な経済制度と政治制度」と表現していますが、これは、いささかわかりにくい表現です。全ての国民が権利を保障され、政治と経済活動に参加できる制度が確立していることを、指しているようです。「包括的」は、今はやりの日本語に言い換えると「包摂」(排除されない)かもしれません。
上下巻合わせて、約700ページです。これでもかこれでもかと、古今東西の実例が出てきます。それはそれで、なるほどと思うのですが、ふだん新書くらいしか読んでいない身には、重いです。「結論と概要だけを書いてくれないかな」と、身勝手なことを考えてしまいます。社会科学系の洋書は、和書に比べて分厚いですね。本屋の洋書売り場に行っても、その厚さと重さに感心します。