年別アーカイブ:2013年

生活不活発病

2013年6月16日   岡本全勝

6月14日の毎日新聞「ひと」欄に、大川弥生先生が紹介されていました。「生活不活発病」の名付け親です。元は「廃用症候群」という名称だったそうです。確かにこれでは、診断された人は「廃人になるのですか」と思うでしょう。それに比べて、はるかにわかりやすい名称です。そして、対策もわかります。
被災地では仮設住宅に引きこもりになりがちで、またそれまでにはあった農作業や近所付き合いがなくなって、身体を動かすことが少なくなります。すると、歩けなくなったり、痴呆が進むという報告を聞いたことがあります。
かつてこのページで、「介護」という言葉がおむつカバーの会社が発案した名前だということを紹介しました(2007年5月30日)。介助の「介」と、看護の「護」をつなぎ合わせたのだそうです。1980年に考えられた、まだ新しい言葉です。1983年には広辞苑に載ったとのことです。これもよい命名ですね。

日本型雇用慣行は女性に不利

2013年6月16日   岡本全勝

6月12日の日経新聞経済教室「成長戦略を問う―女性活用」、川口章同志社大学教授の「日本的雇用慣行に修正を」から。
・・日本の企業、なかでも大企業で女性が活躍しにくいのは、いわゆる日本的雇用慣行と無関係ではない。日本の大企業は、終身雇用制、年功賃金制、企業内人材育成、内部昇進制、企業別労働組合などの独特の雇用慣行を持っている。実は、これらの雇用慣行が強い企業ほど、女性の活躍が難しいのである・・
あわせて、男性正規労働者の勤続年数の長さと、管理職に占める女性の割合の相関が図示されています。
その理由はまだ仮説の域を出ませんが、次のようなことが挙げられています。
1 そのような企業は、長期間離職せずに働く人材を求めている。結婚や出産で退職する女性が不利。残業、出張、転勤などを求められても、女性が不利です。
2 新卒採用が基本で中途採用がない。子育てなどで一度離職した女性が、復帰しにくいのです。
詳しくは、原文をお読みください。

携帯電話の安全対策

2013年6月15日   岡本全勝

ある人に教えてもらい、先日から、携帯電話に、ロックをかけました。落としたときに、他人に勝手に使われないようにです。また、登録してある宛先も、悪用されるとその方たちに迷惑をかけることになります。「今頃遅い」と、お叱りを受けそうです。
便利なものができると、その使い方だけでなく、安全対策を勉強する必要があります。学校や親からは、教えてもらえないことなので、どのようにして知識を得るのか。難しいですね。被害に遭ってからでは遅いです。
携帯電話を落とさないように、ポケットに入れて歩くときは「ひも」(バネ式のストラップ)でベルトに括り付けるようにしています。これには、何度も助けられました。車から降りたときに、足に触るものがあります。「なんだ」と見たら、ポケットから滑り落ちた携帯電話が、ストラップの先でぶらぶら揺れているのです。でも、このバネも外れるときがあるし、何かの時に落とす可能性もあります。
ロックをかけて、一安心ですが、いちいち暗証番号を入れなければならないのに、まだ慣れません。また、職場に入る際の暗証番号や、クレジットカードの暗証番号、パソコンの暗証番号など、いろいろな番号やパスワードがあって、時々間違えます。でも、わかりやすい番号に統一すると、安全度が低くなります。安心には、コストが掛かります。

職員の不適切な発言

2013年6月14日   岡本全勝

復興庁の職員が、ツイッターで、はなはだ不適切な発言を行っていたことが、明らかになりました。関係者の方に不快な思いをさせ、また復興庁や政府への信頼を損なうことになり、誠に申し訳ありません。復興大臣の「お詫びの言葉」。

衰退の原因

2013年6月12日   岡本全勝


南川高志著『新・ローマ帝国衰亡史』(2013年、岩波新書)を読みました。あのローマ帝国が滅亡したことに、多くの人は感慨を持ち、その原因を知ろうとします。
結果には、原因があります。特に「失敗」の場合には。かつてこのページでも紹介しましたが、プロ野球の野村監督がよく使う言葉に、「不思議な勝ちはあるが、不思議な負けはない」のです。
いろんな要素が絡み合って、結果が出ます。隆盛を誇った組織が衰退したときに、誰しもが「なぜ?」と思います。そう簡単に、例えば3行で表現することは難しいとわかっていても、私たちは「単純な答え」を求めます。南川先生の本も、その一つの答えだと思いますが、成功しているかどうかは、それぞれお読みになって、判断してください。
まず、東ローマ帝国と西ローマ帝国は、ほぼ千年もの時間差をおいて滅亡しています。よって、原因は違うのでしょう。この点は、南川先生の本が参考になります。
次に、滅亡とは、何をさして言うのか。王朝が途絶えることで滅亡というのか、その国を国たらしめている要素がなくなったときに滅亡というのか。軍人皇帝が次々と擁立され廃位されても、ローマ帝国はローマ帝国でした。他方で、王様の子孫がどこかで生きていても、国の中心が別の勢力に支配されていたり、国の仕組みが大きく変化していたら、それは「別の国」でしょう。その点では、ローマ帝国が滅亡したときに、かつての帝国や共和制を支えた「元老院」は、何をしていたのでしょうか。
西ローマ帝国が衰退・滅亡した要素は、何か。逆に、西ローマ帝国の末期に、帝国を支えていた要素は何か。地中海ではなく「ゲルマンの森」であり、ローマ市民ではなく「ゲルマンの民」であったのです(先生は、ゲルマン民族はなかったと主張しておられるので、誤解のないように)。しかし、それでも当時の人は、「我々はローマ帝国の市民だ」と考えていたのでしょう。
私が関心を持っているのは、ある国や組織が衰退したときに、それが外的要因(フン族の侵入なのか、自然環境の変化なのか)、内的要因(組織の腐敗か、社会構造の変化・指導者層の怠惰と安逸か)なのかです。多くの場合、外から攻められて崩壊したことより、組織内部がうまく処理できなくなって崩壊したと思います。それが顕在化するのが、環境の変化です。古代ローマ帝国を考えなくても、1990年代以降の日本、近年破綻した企業や銀行、さらには1941年の日本帝国(特に陸海軍)・・。