年別アーカイブ:2013年

国会終了と、職員の活躍

2013年7月2日   岡本全勝

第183回国会が、先週閉会しました。で、いつものように、職員と打ち上げをしました。その席上で、職員から突き上げを食らいました。「岡本統括官のホームページに、私たちへの感謝の言葉が、まだ載りません」と。
申し訳ない。職員から提出された「原稿」に加筆して、下に載せます(苦笑)。

復興庁には、国会班という班があり、国会関係の業務はここが仕切っています。開会中は、復興特別委員会や予算委員会の他に、毎日色々な委員会が開かれ、質疑が行われます。質問通告が遅かったり、答弁案の作成が遅くなって、国会班の職員は、しばしば夜明けまで残業します。申し訳ない。
また、毎日夕刻になると、私と職員は、明日のどの委員会でどのような質問が復興庁に通告されるのかが、気になります。いくらたくさん質問が出ても苦にならないのですが、いつ質問が判明するかわからないと、夜の行動の予定が立たないのです。私は、夕方になると、国会班のところまで出かけて、白板に書かれている質問通告状況を確認していました。
各省庁には、各職員がパソコンから質問通告状況を把握できるシステムがあります。しかし、このシステムの作成を業者に発注すると、けっこうな費用がかかるため、復興庁では断念していたようです。ところが、国会班のO君は、1時間もかからずに、それを作り上げてくれました。
これで、私も職員も、いちいち国会班の白板を見に行かなくても良くなりました。もっとも、私は見に行くたびに、「まだ質問は出ないのか。早くもらってきてくれれば、早く答を書いて家に帰るぞ」と叫んでいたのですが、それができなくなって、少し寂しくなりました。

日本の政治、ねじれ脱出後の課題。その2

2013年7月1日   岡本全勝

第二は、党のガバナンス(統治)の問題である。安倍政権に対するこれまでの世論の評価は、おおむね良好である。その背景には民主党政権の混乱との対比でのプラス評価に加え、自民党自身が3年余りの野党暮らしの悲哀を繰り返したくないという思いに駆り立てられていること、特に安倍首相の場合は前回政権時の挫折の経緯から、失敗は許されないという緊張感があったことなどがあると思われる。
現政権では与党との関係を含め、大きな波乱は見られなかった。同時に、政権や与党の自制は「参院選まで」という条件付きとの見方がないわけでない。もし「参院選まで」という条件付きということであれば、質量共に膨大な政治的調整を必要とすると思われる成長戦略の実行にしても、その先行きは安心できない。
民主党と比べ、自民党には物事を決める伝統的なルールが安定的に存在する。しかし、仮に衆参の「ねじれ」が解消し、脅威を与えうる野党勢力が見当たらず、しかも、国政選挙が今後3年間ないということになれば、自民党は自らのガバナンスの力量に多くを依存せざるを得ない・・
将来的には、膨大な数に上る成長戦略の政策項目の優先順位に基づく取捨選択などが必要になるかもしれない。
市場との関係において成長戦略の実行は避けて通れない課題であるが、これまでのように首相や官邸中心の作業だけでは前に進まない。自民党の政権運営の本当の実力が試されるのが参院選後である・・

もう7月

2013年7月1日   岡本全勝

気がつけば、7月ですね。平成25年も、半分が過ぎました。なぜこんなに毎日が、そして時間が経つのが早いのでしょうか。小学生の時は、授業時間中はなかなか終わりの鐘が鳴らず、学校が終わってからも遊ぶのにたくさんの時間があり、晩ご飯から寝るまでにも時間がありました。

柴田先生他『地方自治論入門』

2013年6月30日   岡本全勝

柴田直子・松井望編著『地方自治論入門』(2012年、ミネルヴァ書房)を紹介します。著者から贈って頂いておりながら、紹介するのを怠っていました。すみません、砂原君。
本書の特徴は、「住民の視点」から、地方自治体の仕組みを解説したことでしょう。目次を見ていただくと、それがわかります。
第Ⅰ部、住民(住民と住民組織、選挙と代表、参加と統制)
第Ⅱ部、制度(議会と執行機関、市区町村と都道府県、自治体と国)
第Ⅲ部、経営(地方財政と予算管理、地方公務員制度と人事管理、組織・権限と機構管理)
第Ⅳ部、政策(政策体系と政策過程、政策設計と政策実施・評価、政策法務と条例)
これまでの入門書は、制度の解説が多かった、特に国と地方の関係から始めるものが多かったのに対して、この本は住民から始めています。住民、制度、経営、政策という4つの章立てが、地方自治をバランス良く解説していると思います。良い入門書です。

地方自治や地方行政の解説書も、たくさんの本が出版されています。読者を誰に想定するか、切り口をどのような角度に設定するかによって、違ってきます。
かつて私が書いた『新地方自治入門-行政の現在と未来』も、制度の解説書ではありませんが、日本の地方自治が果たした機能と成果や、果たしていない問題点と課題を論じたものです。地域と自治体の課題が何であり、誰がどのように解決するかといった、問題指向のものでした。
制度設計や政策立案、そして現場での実践に参画している官僚として、単なる解説でなく、成果と課題、そしてその対策を書きました。読者も、主に地方公務員や地方議会の議員を想定していました。先に紹介した本は教科書ですが、私の本は論争のための本という性格も持っていました。
出版してもう10年、古くなりました。時間が経つのは、早いです。この間に、何が変わって、何が変わらなかったか。それを振り返る必要があるのですが。時間がないのと、私の仕事と関心が他に移っていて・・。反省。

日本の政治、ねじれ脱出後の課題

2013年6月29日   岡本全勝

日経新聞6月27日「経済教室」「2013参院選―日本の進路」、佐々木毅先生の「ねじれ脱出後に正念場」から。
・・四半世紀前から、日本政府の政策が少子高齢化と社会保障支出の増加という重い制約要因によって拘束されることは予想されていた。冷戦終結後、バブルの崩壊や金融危機、長引く不況とデフレへの埋没など、経済環境の悪化が続き、この制約要因が加重された。さらに、消費税増税は政権の命取りになるとの恐怖感が政治家たちに広くつきまとい、政界と国民との一種の共犯的迷走状態が続いてきた。
すなわち、政界は国民負担の回避にひたすら腐心して自己保身を図り、無駄の撲滅によって問題が解決可能であるかのような議論を広めた。同時に多くの有権者は小さな政府を擁護(負担増を拒否)しつつ、社会保障給付の充実を求め続けるという、かつての高度経済成長時代の意識から抜け出ることができず、そこに独特のなれ合い構造が成立した・・
安倍政権が政治の先の根本的な混迷を打開したいというのであれば、成長戦略と併せて、あるいは、その安定的な遂行のためにも、負担と給付の問題に対する有権者の注意を常に喚起し続ける必要がある。それは自助を強調する保守の重要な役割である。その意味では消費税増税の取り扱いは大きな試金石である。成長戦略だけで全てが片付くというのであれば、無駄撲滅で全てが片付くという話と同じ構造になる・・
この項続く。