年別アーカイブ:2013年

中国国営企業の行方

2013年11月14日   岡本全勝

朝日新聞11月7日、張維迎・北京大学光華管理学院教授へのインタビュー「中国国営企業の行方」から。
・・胡錦濤・前政権の10年は、経済を市場化する動きが後退しました。改革は単なるスローガンになっていた。産業政策や景気の過熱防止の名を借りて、政府が経済に関与する権限を強めました。過剰な生産をやめさせることを理由にして、国有企業に中小の民間企業を買収させたりもした。
とくに2008年のリーマン・ショック以降は、公共事業や国有企業に投資をさせて景気が回復した成果を、「中国モデル」と呼んで誇る声まで出てきた。しかし、政府の権限の大きさが腐敗にもつながり、庶民の不満も強まっている。安定した成長を続けるために、経済でも政治でも、政府の関与を減らす改革ができるかどうかがポイントです・・
(国有企業の改革について)
・・理由は、大きく言ってふたつあります。ひとつは、経済活動の効率を落としているからです。石油や電力、通信、銀行など多くの国有企業が、営業収入で世界のトップ100に名を連ねています。しかし、国有企業は中国の工業部門(大・中規模企業)の資産の4割強を占めているにもかかわらず、利潤で言えば3割弱しかありません。雇用については2割しか提供していない・・
・・(もうひとつは)公的な出資を受けていない民間企業まで道徳心を低下させ、社会に規律の欠如を招いていることです。特別待遇の国有企業をみていると、不公平な競争環境でルールを守って商売するのがばからしくなる。それで客をだましたり、政府や国有企業に賄賂をおくったりしてもうける不正が横行している。これは非常に深刻です・・
・・国有企業は、限られた特権層が独占・寡占状態に守られた市場で国の資産を使い、個人の財産を増やす道具になっています。彼らが抵抗勢力となって改革を阻んでいるのですが、庶民は強い不満を抱いている。その構造を変えていかなければ、中国共産党は今後の経済成長も庶民からの支持も得られないでしょう。旧ソ連と比べて共産党政権が安定しているのは、民間や市場の力を取り入れて経済成長を続けてきたからです。そうでなければ、すでに崩壊していたと思いますよ・・
・・経済は自由化する「右」の道、政治は保守的な「左」の道を歩むことが、21世紀の中国で持続可能とは思えません。政府の権力を大きくし、人々の自由を制限するなかで、企業は安心して経済活動ができるでしょうか・・

東京消防庁の活躍、情報共有と仕切る人

2013年11月13日   岡本全勝

座談会の続きです。
新井総監:福島第一原発における活動において、大きな反省点は、第一陣が福島第一原発に入ったときに、最高責任者がやや不明になっていたことです。ハイパーレスキュー隊中心に入ってもらったのですが、おおぜい隊長がいて、全体を誰が仕切るのかが不明だった。
また、福島原発内の舞台とJビレッジの後方部隊との連絡が取れなくなりました、これが誤算でした。本庁とJビレッジとも連絡が困難な状況でした。連絡さえ取れれば、Jビレッジで仕切れたのです。連絡手段の確保の大事さを痛感しました。
東京電力との情報交換がうまく行かなかったことがありました。お互いが知っているものだと思い込んでいたために、情報が伝わらなかったようなのです。国も東京電力も、東京消防庁は免震重要棟の存在を知っているものと思い込んでいて、説明がなかった。我々は、知らないから聞けなかったということだったのです。現場の状況は行ってみて初めて知らされたことも多く、安全面、活動面において、大きな支障となりました。特に、免震重要棟の存在は当初全く知らされずにいたので、作戦の樹立自体に大きな影響を与えました。
五十嵐副参事:当初我々は、現地に行って水を出してくれさえすればいいと言われているものと思っていました。免震重要棟の存在を知らなかったし、東京電力からも説明はなく、とにかく水を出してくださいとのことでした。道はどうなっているのか聞いても、よくわからない・・
松井救助課長:東京電力で、意思決定できる人がJビレッジにいなかったのです。図面を見せて欲しいというと、図面はありませんと言って、手書きで図を書いて説明を始めるのでした・・

砂原君の受賞

2013年11月13日   岡本全勝

砂原庸介大阪大学准教授が、サントリー学芸賞を受賞しました。おめでとうございます。この秋から、大阪大学に移っておられます。
受賞作は、『大阪―大都市は国家を超えるか』(2012年、中公新書)です。出版時の私の紹介は、こちら(2012年11月25日)。

急に冬に

2013年11月13日   岡本全勝

昨日今日と、福島に行ってきました。東京も寒かったですが、福島では山並みが雪をかぶっていました。コートを出して、冬装備で行ってきました。
つい先日まで、クールビズだったのに。今年は、秋がなくって冬が来ましたね。インフルエンザの予防接種も、受けました。

大学改革、中根千枝先生の発言

2013年11月12日   岡本全勝

11月7日の日経新聞教育面、中根千枝・東大名誉教授のインタビューから。
「経済・社会の停滞を打破するために、大学改革を求める声が強まっています」との問に対して。
・・みんな、教育を改革すれば良くなるという夢を持っている。しかし大学制度を変えても、社会のあり方も、人々の意識も容易に変わるものではないから、変えて良くなることもあれば、前の方が良かったということにもなる。
改革案には学長の権限強化についてもあるようだが、大学の学長はふさわしい人がなるとは限らない。学長は努力されているが、管理のトップに向いていないこともある。日本では教授会の権限が強いことも簡単には変わらないとみられ、改革案に期待してもどれほど成功するか・・
記事には、男性中心だった大学で、女性の地位が向上した数字も載っています。大学生に占める女性の割合は、1955年には12%でしたが、今は42%です。大学教員(本務教員)に占める女性教員の比率も、5%から21%に上がっています。ただ、まだ21%です。