2020年の東京オリンピックについて、考えました。スポーツ競技としてではなく、この世界的イベントが持つ社会的な意味についてです。
近年のオリンピック開催の意義は、大きく2つに分けられると思います。
1つは、経済成長に成功し、先進国の仲間入りをする「成人式」です。1964年の東京(日本)、1988年のソウル(韓国)、2008年の北京(中国)です。
オリンピックは都市が開催する建前ですが、今上げた大会は国家が威信をかけて行いました。国民と諸外国に向けてです。国家が、オリンピックをそのような場として利用するのです。
1936年のベルリン、1980年のモスクワ、2016年のリオデジャネイロも、これに分類できるでしょう。
もう一つは、それ以外の大会です。第1のグループとの対比では、その国にとって2回目の開催であることや、首都でない場合が、典型的になります。もちろん、実際には、そんなきれいに分類されませんが。
なぜ、このような分類をするかと言えば、2回目の東京オリンピックをどのように位置づけるかを考える「補助線」としてです。
第1回目の東京オリンピックは、今述べたように、位置づけが簡単明瞭でした。では、第2回目はどう位置づけるか。
これが、東京以外の都市だったら、位置づけはより簡単でした。「日本には、東京以外にもオリンピックを開催できる都市があります。世界の皆さん、見てください」とです。第1回目から半世紀後の東京で、何を見せるか。何を見てもらうか。
「単なるスポーツの祭典だ」と割り切ってしまえば、それまでですが。せっかくの機会ですから、それなりの意味をもたせたいですよね。立派な競技施設や華やかな開会式を、自慢するのではないと思います。施設やイベントでなく、世界に見せ、後世に残すものです。
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簡単な復興指標
最も簡単な復興指標である「復興に向けた道のりと見通し」を、更新しました。数値の更新だけでなく、取り上げる指標も見直して、追加しました。
例えば、住宅の再建には、自主再建の数値も載せました。正確な数値を把握するのは難しいのですが、被災者生活再建支援金という制度があり、住宅が壊れると支援金が出ます。そして、再建すると、さらに加算金が出るのです。この加算金をもらった人の数を、ひとまず自主再建した数値とみなしています。
ご活用ください。そのほかの詳しい数値は、「復興の現状と取組」に、載せてあります。
避難者の心の健康
仮設住宅暮らしが長引き、さらに長期化する見込みです。高齢者も多く、心身の健康を保つことが重要です。今回の大震災対策では、いち早く手を打っています。例えば、仮設住宅団地にサポートセンターを併設したり、相談員を派遣したり、見回りを行ったりとです。
いろんな機関や方々が、携わってくださっています。今回、心の病予防のために、被災者やボランティアなど支援者を対象に、心の健康に関する講演会などを行うことにしました。
アメリカ政府によるGM救済
日経新聞11月3日「危機は去ったか、リーマン・ショック5年」は、破綻したゼネラル・モーターズ(GM)をアメリカ政府が救済した件でした。「ひん死のGM、米政府が救済。オバマ氏、ルビコン渡る。「今が引き際」 CEOに通告」。
・・オバマが抜本的な再建を考えていたことは、実務を担う作業部会のリーダーにラトナーを指名した人事からも明白だった。ラトナーは自動車産業の専門家ではなく、ファンド経営の経験がある金融マン。顧問就任前から、GMには3つの問題があると分析していた。
事なかれ主義の経営陣、過去の過剰投資などが重なった債務、そして高い人件費などのコスト構造である。「破産法に基づく法的整理に踏み切れば、債務を減らし、人件費などのコスト構造も抜本的に見直せる」と読んだが、大きな障害が目前に残っていた。
「GMのプリンス」と呼ばれた最高経営責任者(CEO)、リチャード・ワゴナーの存在だった。ワゴナーは政府支援を求める一方、破産法を使う抜本改革に背を向け続けていた。
09年3月27日、ラトナーはワシントンにワゴナーを呼び出すと、「あなたは以前、『自分のクビが役立つなら、喜んで辞任する』とおっしゃっていましたよね。残念ながら、それが今なのです」と告げた。ワゴナーは最後通告を無言で聞き入れたという・・
与党第3次提言、福島の復興加速
与党(自民党と公明党)が、11月11日に、復興に関する第3次提言「原子力事故災害からの復興加速化に向けて」を、総理に提出しました。各紙が大きく伝えていたので、ご覧になった方も多いと思います(例えば朝日新聞11月12日朝刊トップ)。
総理は、直ちに翌12日の閣僚懇談会において、「政府として、与党提言をしっかり受け止め、着実に対策を進めること。担当する関係閣僚は、直ちに検討に着手すること。被災者及び被災地にとって、将来の展望が描けるよう、復興大臣を中心に復興の更なる加速化を進めること」の3点の指示を出されました。
今回の提言は、福島の原発事故災害からの復興に絞ったものです。津波被災地では、どこに住宅が建つか見通しを立てました。建設にはまだ時間がかかりますが、先が見えてきました。
しかし、原発被災地では放射線量の高いところもあり、除染では低減効果が少ないこともわかりました。そのような地域では、まだ帰還のめどが立たないのです。市町村と一緒に行っているアンケート結果では、新しい生活を選びたい(戻らない)という人も、増えています。
そこで提言では、「早期に帰ることができる地域では、除染やインフラ復旧を急ぐこと。他方で、帰還のめどが立たない地域の方で、新しい生活を選びたいという方のために、どのような支援ができるかその内容を示して、判断いただくべきだ」と述べています。
この提言について、各紙はおおむね好意的です。例えば、朝日新聞15日の社説では、次のように述べています。
・・「すべてを事故前に戻してほしい」。被災者の思いはいまも変わらない。
だが、事故から2年8カ月。それがかなわない現実もかみしめてきた。新しい土地で生活を始めたいと考える人が出てくるのは当然だ。支援の選択肢を広げることに異論はない。
公平性をどう保つか。気をつけるべきは、住民の間に新たな分断を生まないようにすることだ。「被災者一人ひとりの生活再建」を基本に、「帰る」「帰らない」を問わず、ていねいに対応していくしかない・・
読売新聞11月2日の社説では、次のように述べています。
・・注目されるのは、帰還をせず、別の地域に住み続けようという住民への支援を打ち出した点だ。住宅取得を容易にする賠償方法の検討などを政府に要請している。
福島第一原発の周辺地域は、年間被曝線量に応じて三つの区域に分けられている。最も線量の高い帰還困難区域の除染技術は確立されていない。
帰還困難区域の厳しい現状を考慮し、提言案が、帰還の見通しをできる限り具体的に示すよう政府に求めたのは理解できる。「新しい生活を選択するために必要な判断材料」として、多くの避難住民に役立つだろう・・提言案は、現実的な復興策の重要性を示したと言えよう・・
毎日新聞の社説(11月12日)も、次のように書いています。
・・政府はこれまで福島第1原発の過酷事故で避難している人々の「全員帰還」を基本としてきた。自民、公明両党が政府に提出した「復興加速化案」は、その方針を変え、長期間帰還がむずかしい地域の人の移住を選択肢と位置づけている。
必ずふるさとに帰ろうと思ってきた人々にとっては抵抗がある方針かもしれない。しかし、どっちつかずの生活をこれ以上住民に押しつけるわけにはいかない。むしろ、もっと早く示すべき選択肢だった。
政府は、帰還・移住のどちらの選択をする人に対しても、新たな生活設計に向けた支援に手立てを尽くしてもらいたい・・
福島県知事(例えば福島民報)や、多くの地元市町村長から(例えば福島民友)も、評価するとの発言があります。
ただし、住民の方々の理解を得ること、そして提言に沿った様々な対応を進める必要があります。これからの政府の仕事が重要です。