大治朋子著『アメリカ・メディア・ウォーズ―ジャーナリズムの現在地』(2013年、講談社現代新書)が、興味深かったです。
インターネットの普及でオンライン報道が大きくなり、新聞社の経営を圧迫しています。新聞社は、どのように生き残りをかけているか。大手新聞社(といっても、日本ほど大きくありませんが)が、有料記事との組み合わせ販売などで、ネットとの共存を試みています。他方、地方の小さな新聞社は、地域のニュースに特化し、またライバルである他紙とニュースの共有を試みます。NPOによるニュースや、調査報道の進化も、起きています。興味深い実例が、たくさん載っています。
インターネット報道と新聞との戦いであり、広告収入の奪い合いです。先進地アメリカでの事態は、日本でも早晩起きることでしょう。日本の多くの新聞記者さんは、既に読まれたと思います。
私は、新聞という活字媒体は、なくならないと考えています。ただし、事件の報道だけなら、テレビやネットの方が早く、かつビジュアルです。アメリカの新聞記事を、日本で読むことができるのも、魅力です。
分析という付加価値をつけることが、新聞のそして記者の役目だと思います。