9月6日朝日新聞オピニオン欄、「非行少年に寄り添う」。弁護士の多田元さんの発言から。
「少年犯罪は年々、凶悪化しているように見えます」という問に対して。
・・家庭裁判所に殺人罪で送致された少年は戦後のピークだった1961年は396人です。いまは年間40人前後。ここ何年か変わっていないから、データでいうと凶悪化とは言えません。メディアの影響が大きいですね。かつては日常的な事件として報道されていましたが、いまは事件が起こると、その報道で埋め尽くされ、凶悪さが社会に印象づけられています。それが厳罰化を望む声につながっていると思います・・
・・男子高校生が、カッターナイフで同級生の顔面を切りつけた事件がありました。逮捕され、鑑別所に入った少年が、家裁の調査官の面接で「謝りたくない」と話して、反省していないとされました。付添人になって何回目かの面会で「謝るのが怖かった」と話してくれました。「謝って許されて学校に戻ったらもっといじめられると思った」とも。少年はひどいいじめを受けていました。いじめの中心人物をやっつければ逃れられると、切りつけたのです・・