日経新聞5月5日「日本の個性、世界にどう売り込む」、工業デザイナーの奥山清行さんの発言から。
「産業空洞化など日本の製造業が急速に元気を失っている状況をどう見ますか」という問に対して。
・・機能競争が飽和し、コモディティ(汎用品)化してしまうと、日本企業にとっては厳しい。労働コストの安さだけの勝負では、中国などの新興国に勝てるわけがない。消費者が生活に必要だというニーズではなく、どうしても欲しいというウォンツ(欲求)が購買動機になる商品を作り続けるべきだ。空腹の消費者ではなく、満腹の消費者がまだ食べたいと思うものをどう生み出すかが勝負になる・・
「ものづくりで世界に勝つには何が必要でしょうか」という問に対しては。
・・想像力とビジョンだ。ものづくりが難しくなっているのは、消費者に欲しいものを聞いても答えが出てこないため。レストランでシェフから「何を作りましょうか」と聞かれても、客は魅力を感じない。自分が知らない世界を見たいと思っているからだ・・