「消費者安全の確保に関する基本的な方針」(平成22年3月決定、25年4月改訂)の冒頭に、「消費者安全の確保の意義に関する事項」が書かれています。なぜ、消費者安全政策が必要になったか、その要因です。
そこには、
「食品表示偽装など食に対する消費者の信頼を揺るがす事件や、高齢者を狙う悪徳商法事案など暮らしの土台そのものを揺るがす問題」が起きていることのほかに、
「ガス湯沸器による一酸化炭素中毒事故にみられるように、消費者の権利を損なうおそれのある情報の収集やその情報の共有が不十分であったため、迅速に行政から消費者にこれらの情報が伝わらなかった結果、被害の拡大を防止できなかったという問題」
「エレベーター事故にみられるように、事故情報の収集について関係省庁間での緊密な連携協力及び情報の共有が不十分であり、また、事故当時、エレベーターについての事故原因を究明する常設の機関がなかったという問題」
「こんにゃく入りゼリーによる窒息事故のように各行政機関の所管する既存の法律にはその防止措置がない、いわゆる「すき間事案」に対する行政の対応の遅れ」
が指摘され、最後に「これらによって、消費者の間に行政への不信感が生じた」と反省が書かれています。
その結果、平成21年9月、消費者行政を一元的に推進するため消費者庁が設置され、消費者安全法が制定されました。消費者政策が一元化されました。