1月14日の朝日新聞オピニオン欄に、立野純二アメリカ総局長が、次のような記事を書いておられました。
・・今の世界は、「ブランド」であふれている。数々の有名ブランドは、モノやサービスの品質のあかしであり、市場が決める価値でもあろう。
企業10傑では、アップルやグーグル、コカ・コーラ、マクドナルドが常連。落日の日本勢はトヨタだけ・・といえば聞き飽きた話だが、意外に知られていない別の国際ブランドがある。それは「国」だ。
国際コンサル会社「フューチャーブランド」が昨年11月に発表した最新ランキングによると、日本は、スイス、カナダに次ぐ第3位。ブランド王国フランス(13位)や英国(11位)、米国(8位)よりも上とは本当か?・・
国家ブランドは他に「GfKローパー広報&メディア社」も毎年発表しており、そちらも昨年日本は6位。どちらも、世界の人々に国の分野ごとのイメージを聞き取りした調査という。日本は政治の自由度や外国人に厳しい雇用などが弱点だが、テクノロジーと観光、伝統文化で高得点を稼ぎ、総合上位につけた。
産業技術が世界一とは、買いかぶりでは? 特許の世界動向の専門家パトリック・トマスさんによると、確かに特許数は中国が今や世界一だが、技術の価値を考慮した指標では「米国と日本が今でも世界で抜きんでた巨人だ」という・・。
この項続く。
月別アーカイブ: 2013年1月
岩手県沿岸部視察
今日(日曜日)は、大臣のお供をして、岩手県釜石市、大船渡市、陸前高田市に行ってきました。今日を有効に使おうと、前泊しました。昨日(土曜日)の昼過ぎに東京を出発し、新幹線で3時間かけて新花巻駅まで。そこからバスで2時間かけて、釜石に着きました。家からだと、約6時間です。
3市とも、着実に事業が進んでいます。市長さんたちは、「これまでは、仕込みの時期だった。これからは次々と、工事が目に見えますよ」と、おっしゃっています。釜石では、公営住宅が立ち上がっていました。大船渡では、魚の水揚げがほぼ震災前に復旧し、サンマの水揚げは全国2位になりました。陸前高田市でも、市役所の仮庁舎の西側の山が切り崩され、造成が進んでいました。
仮設の商店街(国が作って、市が被災した事業者に貸し出しています)や、仮設住宅団地に併設されたサポートセンターも見てきました。インフラ復旧だけでなく、暮らしの再建には、住宅、生業、そしてケアが重要です。これらに力を入れていることが、今回の復興施策の特徴です。
天気はよかったのですが、風は冷たかったです。夕方に陸前高田市を出発し、ほぼ同じ時間をかけて、家に帰ってきました。
自殺者減少
1月18日付の各紙が、2012年の年間の自殺者が3万人を下回ったことを、伝えていました。2011年に比べ、約9%の減少です。1998年に3万人を超えてからなので、14年間3万人を超えていました。このHPでも、毎年、紹介していました。まだまだ、多いことに変わりはありません。自殺は理由が単純ではなく、対策は難しいです。そして、お金とブルドーザーがあればできるものではありません。人と人とのつながりであり、継続した関わりが必要です。
自殺は、社会の状況を反映した指標です。結婚しない人や子どもを作らない人が増えていることも、若者が社会に対する信頼を失っているからだと思います。どのような社会を作るか。私たちの努力が、問われています。
身の回りの高齢化
今日は放課後に、会合に行ってきました。20年間続いている、同業他社との会合です。私と同年代+10歳年上の方々です。ほぼ退職しておられます。話の内容は、改めて衝撃的?でした。
暇になったから、この会をもっと頻繁に開け。補聴器をつけた。目が見えにくくなった。17年連れ添った柴犬の介護に、3か月かけた。犬のオムツが大変だった。子どもが結婚して出て行ったら、毎日奥さんと2人で顔を合わせて、大変だ。ここまでは、半分笑えます。
多くの人が、両親または義父母と同居したり、介護をしています。故郷から両親を引き取ったら、急にボケが始まった。親が、近所で迷子になった。飲ませる薬が多くて大変だ。兄弟で、費用と役割を分担しているなどなど。お互いの苦労の「自慢話」です。高齢社会が、実感できます。ほとんどの人が、まだ60歳前後なのですが。
目は口よりも、ものを言う
昨日の「社会脳」、相手の心を読むにはアイコンタクトが重要だ、という話の続きです。
「目は口ほどに、ものを言う」という、ことわざがあります。私は、「目は口よりも、ものを言う」だと、思っています。次のような場面を、想定してください。
場面1。あなたが、部下や子どもに、お小言を言います。相手は「申し訳ありません。私が悪かったです」と言いながら、視線はあなたではなく、空を見ている場合。「こいつ、本気には反省していないな」と思うでしょう。言葉より、目の方が、本心を表しているのです。
場面2。あなたが失敗をして、母親か奥さんを怒らせてしまいます。その際に、お母さんや奥さんが「良いわよ、こんなことは許してあげるから」と言いながら、目はつり上がり、目の中には炎が燃え上がっている場合。「許してもらえた」と思いますか(リアルですねえ・・。苦笑)。
人の脳は、男性で平均1.4キログラム、女性で1.3キログラム。体重の約2%しかないのに、体全体が使うエネルギーの20%を使っているのだそうです(『社会脳の発達』p20)。道理で、学生の時に勉強すると、おなかが減りました。
社会人になると、人と話す場合が、最も疲れます。私の場合は、授業や講演会もヘトヘトになりますが、気を遣う人との会話が最も緊張し、疲れます。同じ一対一でも、気心の知れた人とは、それほどは疲れませんが。相手の発言と顔色に全神経を集中し、相づちを打ち、話題を発展させと、気を遣いますよね。横で聞いている人は、「全勝さんは、無神経によくあんな発言をしますね」とあきれますが、これでも、結構気を遣っているのです。
その際に、相手の視線と顔色をうかがい、心を読むとともに、時機を失せずに言葉を継ぐことも重要です。相手が、「私の言っていることが正しいだろう」とか「私は美人」と発言した際に、「おっしゃるとおり」または「御意」という言葉を、間髪入れずに返すかどうかです。返事が、0.5秒遅れたら・・・。