マイケル・ハワード著『改訂版 ヨーロッパ史における戦争』(2010年、中公文庫)を読みました。数週間前に読み終え、このホームページで紹介しようと考えていたのですが、パソコンの前に放置してありました。中世から現代までの戦争を、小さな書物で解説することは、とても難しいことです。大胆な切り口で分析と分類をしないと、収まりません。この本では、次のような視角で、時代を追って分類しています。
封建騎士の戦争、傭兵の戦争、商人の戦争(交易と海賊)、専門家の戦争(専門的軍隊の出現)、革命の戦争(ナポレオンの衝撃)、民族の戦争(民族国家の成立)、技術者の戦争(第1次大戦)。
わかりやすいです。戦争の歴史というと、軍事技術の歴史を想定しますが、技術以上に、各時代の戦争がその時代の社会・政治・経済を反映した、それが許す範囲内でのものであったことがわかります。