アメリカ大統領選挙、有権者の意識の差

11月9日の読売新聞に、6日に投票が行われたアメリカ大統領選挙の出口調査の結果が載っていました。両候補に投票した人の考え方の違いが、見事に浮き彫りになっています。
「現在の米国」について、46%の人が「ほぼ正しい」と考えていますが、その内訳はオバマ氏に投票した人が93%、ロムニー氏に投票した人6%です。反対に「かなり間違っている」と考えている人は52%。その内訳は、オバマ支持者が13%なのに対し、ロムニー支持者は84%です。
「アメリカ経済の状態」について、「良い」と考えている人は23%です。その内訳は、オバマ支持者が90%、ロムニー支持者は9%です。逆に「悪い」と考えている人は53%。その内訳はオバマ支持者が38%、ロムニー支持者が60%です。
「アメリカの経済問題の責任は誰にあるか」という問に対して、オバマ大統領と考える人が38%。そのうちオバマ支持者は5%、ロムニー支持者が94%。ブッシュ前大統領にあると考える人が53%。その内訳はオバマ支持者が85%、ロムニー指示者が12%です。
「政府の役割」について、強化すべきだと考えている人が43%います。その81%がオバマ支持者で、17%がロムニー支持者です。民間移譲を進めるべきだと考える人が51%で、その内訳はオバマ支持者が24%、ロムニー支持者が74%です。
こんなにはっきりと分かれると、わかりやすいですね。

原発被災地視察

13日14日と、福島県に行ってきました。復興推進委員会の視察の随行です。1日目は、楢葉町、大熊町、浪江町、南相馬市、相馬市で、インフラの復旧、警戒区域内、津波被害地、高齢者向け復興住宅、コメの全袋調査を視察。2日目は、飯舘村と南相馬市で、仮設の中学校、計画的避難区域内で操業している工場、精神病院、仮設の宿泊施設などを見ました。結構な強行軍でした。
相馬市の高齢者向け復興住宅「井戸端長屋」は、立谷市長のアイデアの結晶です。
飯舘村では住民が避難していますが、事業所は許可を得て操業しています。すなわち、従業員は村外から通っています。約300人の従業員は、村にとって大きな雇用の場所です。ただし事故前に比べ、従業員は戻ってきていないようです。働く場は、復興のために不可欠の要素です。ありがたいことです。
村出身の社長が、最先端の金型を作っておられます。「過疎はハンディじゃない」という発言が、頼もしかったです。「日本の物流はよくできていて、ありがたい」とのこと。高速道路があること、運送会社のサービスが良く、福島の山の中でも問題はないのだそうです。また、従業員の確保も、東京より良いとのこと。コンピュータによる精密設計だけでなく、熟練の技術が要るからだそうです。
南相馬市の精神病院は、避難指示で入院患者を圏外に避難させました。職員、特に看護師が戻ってこず、十分な数を確保できないので、ベッド数を削減して再開しています。患者さんと家族は、困っておられるでしょうね。精神病院と患者は、災害の際に、目の行き届かない場所です。
仮設の宿泊所は、中小企業庁がつくった「仮店舗、仮工場貸し出し事業」を活用しています。被災地では、ホテルが壊れ、さらに復興のための作業員がたくさん入っているので、宿泊施設が不足しています。しかし、作業員は事業が終わるといなくなるので、ホテルをつくるには採算が難しいです。仮設の宿泊所は、プレハブ仮設で6畳の広さ、100室です。中小企業庁が、良い制度を作ってくれました。

東北大学公共政策大学院で講義

今日は、東北大学公共政策大学院で、2コマ講義をしました。牧原出先生のお誘いです。被災者生活支援本部以来、お呼びがあれば、都合の付く限り出かけていくようにしています。少しでも私たちの仕事を伝え、また私が何をして何を考えたかを伝えることも、重要だと考えています。
今日は、公共政策大学院の学生さんが相手なので、単なる実績や課題を話すだけでなく、学生さんにも考えてもらうように工夫しました。被災地での「制度と現実との間の隙間やずれ」をどう解決するかです。公務員はしばしば「検討しますと言って先送りする」と批判されますが、現場ではそれが許されない場面も多いのです。
さらに、私が悩んだ実例や悩んでいる課題を出して、「被災地で考えるマイケルサンデル」や「あなたが市役所の職員だったらどう考えるか」を、宿題に出しました。
30人を超える学生が、土曜の午後に熱心に聞いてくれました。質疑応答も、しっかりした質問でした。「お客さん」の反応が良いと、やりがいがありますね。
来週の土曜日と併せて合計4コマあるので、結構話せます。レジュメと資料を、ばっちり用意して臨んだのですが、エピソードを挟んだり、関連した実例などに話が飛んで、時間が足りなくなりました。いつもの悪い癖です(笑い)。でも、レジュメと資料を配ってあるので、いくら脱線しても大丈夫。
講義や講演は苦になりませんが、休憩を挟んで3時間しゃべるのは、のどが疲れました。来週もあるので、明日はその準備をしなければなりません。

インターネットで売れるのはB級のネタ?

少し古くなりましたが、11月3日の朝日新聞オピニオン欄「ネットで文字は売れるか」、中川淳一郎さん(ネットニュース編集者)の発言から。
・・先月末、元AKB48の前田敦子がツイッターを始めたところ、あっという間に何十万ものフォロワーがつきました。元モーニング娘。の辻希美のブログには、何万人もの読者がついています。
一方、2008年に朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞が立ち上げた「あらたにす」というサイトは、今年2月末に閉鎖されました。1面の記事や社説を読み比べできるのが売り物でしたが、世の中の人は、社説より女性タレントのつぶやきに関心があるんです。
なんでそんなものにと思うかも知れませんが、思う方がおかしい。パチンコ屋に朝から並び、おバカタレントの珍回答に大喜びしている日本人がなんと多いことか。各社の社説に関心があるなんて人の方がマイノリティーです。
私は、ネットにニュースをアップする編集者です。言葉は悪いですが、あえて言います。日々の仕事は、押し寄せるバカとの闘いです。恐ろしいことに、ネットはバカに発信力を与えてしまった。こちらのちょっとした物言いに「傷つく人がいたら、どうするんですか!」と妙な義憤にかられて怒る。騒ぎに便乗し、サイトを炎上させて喜ぶ。以前は無視しとけばよかったが、今はバカの意見が拡散する。結局、まともにやってるこっちが謝罪するはめになる。
私はもう、良質な客を相手に格調高いコンテンツを提供しよう、などと考えるのはあきらめました。まあ、私もバカのひとりだし、ネットは暇つぶしでもあるから、もっと気軽なB級ネタを出すように心がけています。絡んでくる人がいても、ページビューを稼いでくれる、いい客だと思うことにしています・・
読んでもらうためには、女性タレントのブログやツイッターにコメントを寄せて喜んでいる人たちが食いつくレベルまで下げること。たとえ、それが下品であってもB級に徹することです・・
う~んと思いますが、事実なのでしょうね。学者や評論家が理想論やお堅いことおっしゃっても、多くの日本人はいえ世界中で、そうなのでしょう。さて、どうするか。

職員の反論

今朝、出勤すると、週末の金曜夜から日曜日までの間に、20通ほどのメールが届いていました。その中に、仕事の報告のメールに続いて、同一職員から「お詫びのメール」が来ていました。その趣旨は、「先ほど、仕事のメールを送りました。休日出てきたことについて、大目に見てください。今後、作業がますます忙しくなるので、今のうちにできることは片付けておきたいのです」とのことでした。
私が日頃、職員に「できる限り休日出勤するな」と言っていること、また夜遅いメールや休日のメールには「そんな時間に働いているのか」と返信するので、彼が先手を打ったということです(苦笑)。
彼らの仕事への取り組み姿勢に、頭が下がります。申し訳ありません。