11月20日の毎日新聞に、東日本大震災での宗教者の活動が、取り上げられていました。
そこに、傾聴移動喫茶「カフェ・デ・モンク」が紹介されています。お坊さんが、被災者の話し相手になってくれます。仏教だけでなくキリスト教の牧師、イスラム教徒もおられるそうです。「心の相談室」が運営しています。ここは、「東日本大震災後における弔いから悲嘆ケアまでの一貫した支援」行うとうたっています。
・・これまでの日本では、死者の弔いは宗教者の責務と位置づけられてきている・・弔いの儀礼が継続的に行われる一方で、残された遺族に対しては悲嘆ケア、さらには生活の再編に至る包括的な支援が必要になってくる・・ご家族に不慮の死者が出てしまったご遺族に対しては、宗教者だけではなく、悲嘆ケアの専門家、さらには医療や生活支援の専門家が一体となって支援していかなければならない。「心の相談室」では、スピリチュアルケアの観点から、宗教者による弔いを手始めに、ご遺族に対する包括的な
記事では、東北大の鈴木岩弓教授の発言「あの世の話ができるのは宗教者。医療や介護の現場でも、死を見つめる患者や家族を支える宗教的ケアが求められているのではないか」が紹介されています。
被災地で遺体を埋葬する際、葬式をあげることができず、僧侶の読経もできなかったこと、そのお手伝いを行政ができなかったことを先日書きました(2012年10月29日の記事)。残された人たちの心のケア。それは精神科医だけで負えるものではないです。
また記事では、日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団が全国の男女1,000人に行った意識調査(2012年)によると、「死に直面したとき、宗教は心の支えになるか」との質問に、「なると思う」と回答した人が54.8%で、2008年の前回調査(39.8%)より15ポイント増えた。前回は「分からない」との回答が43.4%と多かったが、今回は26.2%で大きく減少したことも紹介されています。