久保文明、中山俊宏、渡辺将人著『オバマ・アメリカ・世界』(2012年、NTT出版)から。この本は8月に出ているので、大統領選挙の前です。久保先生の発言です。
・・アメリカ大統領選挙の年になると、よく受ける質問がある。「民主党政権と共和党政権のどっちが日本にとって得か、教えてほしい」というものである。そして多くの場合、とくに経済界や政界の場合、共和党政権の方が日本にとってよい、あるいは日米関係は改善するという認識があるようだ・・日本では、アメリカ大統領選挙の時に、既述したようにほぼ決まって「どちらが日本にとって得か」を尋ねる傾向が強いが、それと同程度に重要なのが、日本が何をするかである。本来、日本の総選挙の際、どの政党が日米関係強化にもっとも積極的であるか、あるいはそのための良案を携えているかも、問うべきであろう。G・W・ブッシュ(子)時代に、日米関係がいい状態であった一つの理由は、日本側が既述したような貢献をしたからであるということを、忘れてはならない・・
ケネディ大統領の名言を借りれば、「アメリカが日本に何をしてくれるかを尋ねてはなりません。日本がアメリカのために何をできるかを考えてほしい」ですかね。