お任せ民主主義。政治というできの悪い芝居の見物

10月2日の朝日新聞オピニオン欄、國分功一郎さんの「経済成長の時代、全ては暇つぶし。政治も消費された」から。

・・日本は特に、政治を退屈しのぎにしてきた国だと思います。以前から、日本は先進国であるのに政治意識が高まらない、例外的な「臣民型」の国だという評価がありました。政治参加の意思も抗議運動への理解もない、と。・・
日本がなぜ例外であり続けたかといえば、やはり経済が大きい。60年代以降、日本だけは経済が右肩上がりで社会システムも安定していた。その中で怪物的な消費社会を作り出し、あらゆるものを消費の対象にした。政治もその一つになった・・

「マスコミは政治報道に力を注ぎ、人々も投票所に足を運んできた。それが退屈しのぎの消費に過ぎなかったのでしょうか」という問に対しては。
・・すべてがそうではありませんが、そもそも与野党がなれあって、事前に強行採決や乱闘の手順を料亭で決めていたような時代があったわけで、国会自体が出来の悪い芝居だったのではないでしょうか。
マスコミはそれを「政局」としておもしろおかしく報じ、飲み屋での政治談議に話題が提供される。政治はそんな退屈しのぎぐらいになれば十分だったんでしょう。その暗黙の前提となっていたのが、放っておいても誰かがうまくやってくれる、という政治への白紙委任的な態度です・・

鋭い指摘ですね。経済や社会がうまくいっているのなら、お任せ民主主義でも、良かったのでしょう。
後段、できの悪い芝居を、「政局」として報道していたという批判に対して、マスコミ(各紙の政治部)は、どのように反応するでしょうか。
この項続く。