今日は、日本行政学会(慶應大学)で、「東日本大震災における行政の役割」を報告してきました。私の役割は、被災者支援から復旧復興の過程において、政府の一員として携わったものから見た、行政の役割についてです。行政の研究者、それはまた官僚制の研究者でもありますが、その方々の前で、「今回の大震災に対し、日本の行政・官僚は何をしたか」の審判を受ける場でもありました。「まな板の鯉」です。
時間が限られているので、阪神淡路大震災の教訓を踏まえて、政府は今回、どのように「違った対応」をしたか。自治体(被災自治体、応援自治体)、企業、NPO・ボランティアとの役割分担。そして、被災者生活支援本部、復興本部、復興庁という臨時組織を立ち上げ運営していることの意味を、お話しました。レジュメを載せておきます。
この1年間、走り続けてきたので、私たちのしたことを振り返って整理してみる、良い機会でした。専門家の前で話すことは、いささか緊張します。しかし、旧知の先生方がたくさんおられるのと、基本的知識を共有していただいている方々なので、しゃべりやすかったです。
また、昨年この仕事に携わったときから、官庁、自治体、マスコミ、国民に私たちの仕事を知ってもらうために、ホームページを立ち上げ、なるべく多くの情報を載せるようにしました。また、これまでにない仕事なので、後世の人たちや研究者の方々にも利用していただけるよう、古くなったページも残してあります。
昭和50年(1975年)に東大法学部で、西尾勝先生の「行政学」の授業を受けました。そして、公務員を職業に選び、34年勤めてきました。この間いろいろと貴重な経験をさせてもらったので、その経験を後輩や研究者に提供することも、私の務めです。時間ができたら、この1年間の経験と考えたことを文章にまとめたいと思っています。