今日は、東京財団とThe German Marshall Fund of the United States (GMF) による「第1回日米欧・東京フォーラム」のセッションに呼ばれて、スピーカーの1人として出席してきました。私の出番は、東日本大震災に対する日本の取組と復旧状況の報告です。
アメリカとヨーロッパの著名人が参加しました。英語で行われたのですが、私は、同時通訳をお願いして、日本語で話させてもらいました。限られた時間なので、英語で資料を用意して臨みました。復興庁には英語に堪能な職員もいるので、資料作成・翻訳をお願いしました。「資料」
外国の方に報告するために、どのような資料がよいか考えましたが、この1年を振り返る良い機会でした。質問に簡潔に答えるのも、難しいですね。なるべく通訳しやすいように、考えながら話しました。主語がしばしば省略され、また述語が最後に来る日本語に対し、英語は述語が主語の次に来ます。ふだん通りに長々と目的語の部分を話して、最後に「・・ではありません」とか「・・と(私でなく)別の人が言っていました」と、日本語でしゃべると、通訳の方は困ります。
議論を聞きながら、いくつかのことを考えました。その一つが、応援と受援です。
発災直後に、救助などのために、国内外から部隊が応援に入ります。その際に重要なのは、送り出す方が直ちに応援に行くことができるように準備しておくことと、受ける方の応援を受け入れる体制です。後者の「受援能力」の重要性は、まだ十分に認識されていません。
現地に応援に入った部隊(消防、警察、自衛隊など)が、どこで何をすればよいか。どこで救助を求めているか。部外から来た部隊には、わかりません。どこに駐屯したらよいかもです。消防大学校では、受援能力の訓練をしています。各市町村の消防は、他の市町村に応援に行くのはお手のものですが、応援を受ける経験はまずはありません。混乱の中で、各地から来た部隊をどう誘導するか、どこに展開してもらうか。これは難しいです(2010年2月3日、2010年6月3日の記事。おまけ、校長も写っています)。
また、このような現場での受援だけでなく、政府での受援があります。外国からの部隊や医師団、さらには物資の受け入れです。今回の経験で、この窓口を一本化する重要性を学びました。