3月31日の朝日新聞オピニオン欄は、衆議院選挙区の格差が2倍以上になっていて、最高裁判所が違憲状態にあるとの判決を出したこと、しかし国会は対応していないことを取り上げていました。長谷部恭男東大教授の発言から。
・・現状のまま衆議院の解散・総選挙があれば、最高裁が「違憲」と判断することも十分ありえます。
過去にも区割り規定が「違憲」とされたことはありましたが、「事情判決の法理」を用い、選挙は「有効」とされました。しかし、次はこの法理が使われると決めてかからないほうがいいと思います・・
事情判決とは行政処分が裁判で違法とされた場合、その処分を取り消すと著しく公益を損ねるとして、取り消し請求を棄却する判決のこと。これを選挙制度の訴訟にも「法理」という形で応用しました・・
注意してほしいのは、当時、衆議院は中選挙区だったという点。選挙区に多ければ5人の政治家がいて、複数の選挙区で選挙無効になれば、相当数の議員が失職し国政が滞る。それでは公益を損ねるという判断がありました。
いまの衆議院は小選挙区制。5、6か所の選挙区で選挙が無効になり、国会議員が失われても、国会の運営に大きな支障はない。事情判決の法理を使う理由はありません・・
なるほど、そのような立論、推論もあるのですね。詳しくは原文をお読みください。