4月4日の日経新聞夕刊「こころの玉手箱」に、益川敏英先生(ノーベル賞受賞者)が、次のような経験を書いておられました。
・・大学の学生時代、友人たちと映画を見た後、感想を語り合った。登場した女性について、ある者は「黄色い色の服を着ていた」と言い、別の人は「赤い服だった」と言う。また別の者は「違う、青色だった」と、てんでばらばらな議論になった。
そこで、確認するために、もう一度映画館に行こうと提案した。ところがその映画は白黒映画だった。色がついているはずがない。みんなキツネにつままれたような表情だった。
人間というものは、記憶を作ってしまうものだということが、その夜の議論の結論だった・・