経団連が、会員企業の大震災での支援実績を、まとめてくださいました。項目は、金銭寄付、現物寄付(サービスを含む)、社員等の被災者・被災地支援活動への参加、社員や消費者等への寄付の呼びかけ・マッチング、施設開放、被災地応援・風評被害対策購買活動です。ありがとうございます。
月別アーカイブ: 2011年12月
第三者委員会
企業の不祥事が続き、その事実と原因を究明するために、第三者委員会が設置されることが多いです。12月7日の朝日新聞オピニオン欄は「不祥事と第三者委員会」を特集し、8日の日経新聞経済教室は、国広正弁護士の「第三者委員会、機能の条件」を載せていました。
それによると、企業の第三者委員会は、欧米から輸入された制度ではないそうです。1998年に破綻した山一証券の調査委員会から、10数年かけてわが国独自の第三者委員会が形成されたとのことです。刑事事件になると捜査機関が捜査しますが、それは犯罪を構成するかどうかという観点であって、不祥事の原因やなぜ防げなかったかの究明までは、期待できません。また、内部調査では、客観性が確保でず、真実が究明されずに、世間の信頼が得られないこともあります。
日本弁護士連合会では、昨年「第三者委員会ガイドライン」を制定しました。弁護士が、調査委員に依頼されることが多いのです。そして、依頼者である経営側は、真実を全て明らかにされることを好みません。そこで、このガイドラインが、経営者からの圧力に対して「盾」になるのです。
また、行政機関でも、第三者委員会が設置されています。10日の読売新聞は、政府(各省)が依頼した第三者委員会の、外部有識者へ払う報酬が適正かどうかを、取り上げていました。そこに、8件の第三者委員会が載っています。原発事故、汚職、裏金問題、ヤミ専従問題などです。
このホームページでも、行政の失敗を検証することの必要性を、何度か取り上げました(2007年11月1日、2日、5日など)。イギリスのイラク戦争を検証する独立調査委員会も、紹介しました(2010年2月20日)。私の関心は、行政の失敗を検証し、そこから教訓を蓄積することです。そのためには、このような検証実績をまとめる必要があります。
もっとも私の関心は、官僚の汚職などの不祥事でなく、行政の失敗や政策の失敗です。
なお、地方行政では、市民による監視として、オンブズマン制度が導入されているところもあります。
発災9か月
今日で、大震災が起きてから、9か月が経ちました。避難所に残っておられる方とホテル住まいを選ばれた合計千人あまりを除いて、33万人の方は住宅に住んでいただけるまでになりました。もちろん、仮設住宅の寒さ対策など、対応が必要なこともあります。また、原発から避難された方は、帰還のめどが立ちません。
津波被災地では、町の復興計画づくりが進んでいます。11日の読売新聞は「未来図作り、住民激論」を特集しています。
産業と雇用の復興
被災地での大きな課題が、産業と雇用の復興です。各紙が、被災地での失業手当が、昨年より6割増えていることを伝えています。復旧復興事業が本格化し、工事の従業員の求人は増えているのですが、水産業などの雇用が回復していません。
11日の朝日新聞は、日本商工会議所が呼びかけて、各地の企業が中古の機械を被災地の企業に提供していることを伝えています。「遊休機械無償マッチング支援プロジェクト」。優れたアイデアですね。いくつも成果が出ています。義援金やボランティア活動だけでなく、このような持っているものや技術の応援はもっと注目、活用されて良いでしょう。
企業活動の復興や貢献について、次のような本を見つけました。
川邉信雄著『東日本大震災とコンビニ』(2011年11月、早稲田大学出版部)
関満博著『東日本大震災と地域産業復興Ⅰ』(2011年12月、新評論)
まだ中味を読んでいないので、内容の紹介はできません。すみません。
走りながら考え、対応する
昨日、福島再生のための特別法案について書きました。原発災害はまだ終息していない=帰還のめどが立たないので、現時点でできること、予測できること、まだ予測できないことがあります。例えば、冷温停止が実現すると、次の段階に進むのです。
税制特例については、24年度分は閣議決定しましたが、これで終わるわけではなく、引き続き検討する必要があります。そこで、次のような文言も入れてもらいました。「第2章3(2)、9(3)」
「東日本大震災からの復興については、中長期的な視野を持って取り組む必要があります。このため、福島県における原子力災害を含め、東日本大震災からの復旧・復興状況を踏まえつつ、今後とも、税制上の支援について検討を行います。」
復旧や復興の際には、走りながら対応することも多くなります。