被災者の孤立防止会議

今日27日に、「被災者の孤立防止と心のケアに関する有識者会議」を開きました。6月に「被災者の孤立防止会議」を開きました。今回はその2回目に当たります。テーマを広げ、委員も一部入れ替えて、開きました。
避難所に多くの方がおられた当時と違い、現在はほとんどの人が、仮設住宅か借り上げ住宅におられます。すると、大部屋で一緒に暮らしていた時より、孤立するのです。各省もいろんな対策を打っています。しかし、道路や建物を造るのとは勝手が違い、お金をかければ目に見える形でできるものではありません。マンパワーと手間ひまと継続が必要です。また、縦割りでいくつもの施策を作っているのですが、現場で相手にするのは一人の人間です。
かつて私は、「再チャレンジ支援」に携わり、モノをつくる行政と人を相手にするサービス行政との違いを勉強しました(例えば、「行政の変化」)。まさに、その時に考えたことが、当てはまります。
今日は、たくさん参考になる実例や意見をいただきました。追って、復興本部のホームページに載せます。しばらくお待ちください。

原発避難区域見直し

今日、官邸で、原子力災害対策本部が開かれ、原発事故の警戒区域見直しと、今後の検討課題が決定されました。現在、避難をしている地域は、今後、準備が整えば避難が解除される区域(20ミリシーベルト以下)、5年以内に20ミリシーベルト以下になり避難が解除される区域(20~50シーベルト)、5年以上にわたり20ミリシーベルト以下にならないと見込まれ当分の間帰れない区域(現在50ミリシーベルト以上)の3つに区分されます。
詳細な線引きは、来年3月までかかるようです。それによって、帰ることができない区域では、賠償額が決まります。これらは、事故処理です。
その後、ようやく復旧と復興になります。これが天災である津波被害と、事故である原発災害の違いです。天災の場合は、賠償という考えがありません。また、津波は水が引くと復旧作業に入ることができますが、原発災害は放射性物質の除染をしないと、復旧作業に入れません。その意味で、災害はまだ続いています。
帰ることができる区域では、除染を行い、インフラなどを復旧して、住民に帰ってもらいます。インフラ復旧は、復興本部の仕事になります。

作成者の意図と使う人の都合

公共用のトイレで、トイレットペーパーのロールが横に2つ並んでいる型のホルダーがあります。これは、一つのロールを使い切って紙がなくなっても、困らないようにという意図です。ところが、多くの人は、2つのロールが同じように減るように使います。すると、2つのロールがほぼ同時になくなることになって、設計者の意図に反する結果になります。これを防ぐのが、ロールを縦に2つ並べておいて、一つがなくなったら、次のロールが出てくるようにしたものです。D.A.ノーマン著『複雑さと共に暮らす―デザインの挑戦』(2011年、新曜社)に、書かれていました。
なるほどね。2つロールが並んでいる場合、多くの人は、片方を先に使い切って、もう一つの方を手つかずに残そうとはしないでしょう。必ずたくさん残っているロールを使うでしょう。すると、2つが同じ程度に減っていくのですね。

平成24年度復興庁予算案

今日24日に、来年度予算案概算が閣議決定されました。復興庁所管については、復興本部のホームページをご覧ください。新年度までには復興庁が発足するので、平成24年度予算は、復興庁の予算になります。
復旧・復興予算は、既に第3次補正予算までに多くの経費を計上済みです。24年度予算の特徴は、復興関係事業費を復興庁で一括計上することになったので、その予算約1.7兆円が計上されています。そのほか復興庁が直接執行する予算0.3兆円を入れて、合計で約2兆円です。また、復興特別会計が新設され、復興庁予算はその特別会計に計上されます。特別会計は、この2兆円の他に復興特別交付税なども計上され、合計で3.8兆円になります。