12月3日の日経新聞の特集「ニッポンの企業力」は、日本企業の人材に関して、鎖国状態にあることを取り上げていました。高度な外国人の活用が、先進国の中で最下位なのだそうです。高等教育を受けた居住者のうち、国外から流入した外国人が占める割合は、0.7%。オーストラリアは29%、欧米主要国は10%台です。外から来る外国人に門戸を閉ざすだけでなく、外に向かっても行かない。日本人留学生の減少は、既に指摘されています。
これは、日本が高等教育や研究を、日本人だけでまかなえることができることをも意味しています。明治以来、お雇い外国人を日本人に置き換え、先進技術を輸入し、日本語で教えることができるようになったのです。大学教育、大学院教育を、自国語で行える国は少ないです(英語、フランス語、ドイツ語などを除く)。これは、大したことでしょう。
しかし、20世紀末からのグローバル化で見えたことは、鎖国状態の繁栄は難しくなったということです。技術を輸入・翻訳し、工業製品を輸出して稼ぐとともに豊かな生活を享受する。このモデルが、世界市場で勝ち残れなくなりました。
このページでも書いているように、それは企業だけでなく、政治行政の分野、社会科学系の研究教育分野でも、迫られていることだと思います。自然科学の研究者、いくつかの分野のスポーツ選手は、すでに海外でも活躍しています。そのほかの分野でも、勝負の土俵が国内から世界になったということでしょう。