国家戦略会議

10月21日の閣議で「国家戦略会議」を開催することが、決定されました。報道によると、経済財政諮問会議に似た機能を担うようです。
かつて、このホームページでは、内山融先生の『小泉政権ーパトスの首相は何を変えたのか』(中公新書、2007年4月)
を紹介して、経済財政諮問会議の効果を述べました(「経済財政諮問会議の効果」2007年4月28日)。また、経済財政諮問会議が果たしている、政府の「企画部」としての役割を指摘したことがあります(「政府の企画部」2007年4月26日)。
政策の優先順位付け、争点の設定、決定過程の透明化、総理の主導権など、閣議ではできない機能を担うことが、期待されます。

会社をつぶした記者会見

昨日の日本広報学会には、企業の不祥事の際のおわびのプロもおられました。「私もプロですよ」と、少し経験談をお話ししてきました(2007年1月31日の記事)。
そこでお会いした、村上信夫さんの『会社をつぶす経営者の一言―失言考現学』(2010年、中公新書ラクレ)を、紹介します。
この本では、食品の賞味期限偽装、牛肉偽装、自動車の欠陥隠しなど、会社名を出すと、皆さん「そういえば、そのようなことがあったな」と思い出される事件の数々が、紹介されています。その際の不祥事そのものではなく、それが発覚した後の記者会見のまずさを、分析・整理してあります。そして、下手な記者会見=隠したことがばれて会社がつぶれた例と、うまく記者会見をして=できる限り情報を出して早く事件が終息した例が載っています。
「こうすべきだ」といった抽象的な教訓より、実例を読んだ方が、勉強になりますよね。一読をお勧めします。
これだけも豊富な実例が載るということは、それだけ事例が多い、まだ懲りていない、ということでしょうか。なお、会社が起こした事件の実例については、奥村宏著『会社はなぜ事件を繰り返すのか―検証・戦後会社史』(2004年、NTT出版)などがあります。

日本広報学会・基調講演

今日は、東京経済大学で開かれた、日本広報学会研究発表大会で、基調講演をしてきました。主催者からの指示は、「政府の情報提供に限らず、今回の大震災対策で何をしたか、どんな点に苦労したかを話せ」ということでした。
ということで、これまでの私たちの仕事を、お話ししました。新しい組織を緊急に立ち上げた際の、苦労についてです(4月2日の記事など)。
もちろん、情報発信についても、お話ししました。苦労したのは、「誰に、どのような情報を、どのような媒体で伝えるか」です。もっとも、ほとんどは、内閣広報官が考えてくださったのですが。
「誰に何を」では、避難所にいる人たち、広く被災者、国民や企業、マスコミやオピニオンリーダー、政府関係者や自治体、支援を考えている人たちに対して、何を伝えたかです。
「どのようにして」では、被災地では停電し、インターネットももちろん使えません。新聞も届かないところもありました。避難所以外でも、仮設住宅や借り上げ住宅に入った人たちにどう届けるか。居住地を離れ全国に散らばっておられる避難者に、どう伝えるかです。

講演会でしゃべるのは、準備が大変です。しゃべること自体は、そんなに苦痛ではないのですが。ふだんやっている仕事や、考えていることを整理する、良い機会です。特に「異業種」の方にお話しするのは、勉強になります。どのような素材をどう話したら、伝わるか。それを、考えなければなりませんから。このような機会を与えてくださって、ありがとうございました。

今日は金曜日

今日は、金曜日。今週も、怒濤の日々が過ぎました(笑い)。今週は、福島県との協議会、そこでもらった宿題の整理、臨時国会に提出する法案の準備と関係者への説明などなど。たくさん仕事がありました。それなのに、夜には、異業種の方や同業他社の方と「意見交換会」を入れて(苦笑)。
昨日から、臨時国会が始まりました。最近は臨時国会がしばしば開かれ、その間の休会期間でも、閉会中審査があって、国会担当班は、ほぼ年中休みなしです。質問通告がなかなか出なかったりで、夜遅くさらに朝早くまで残業が常態化しています。申し訳ありません。来週は、大臣所信表明に対する質疑から始まります。