日経新聞10月30日「風見鶏」、坂本英二編集委員の「検証なき国家は変わるか」から。
・・いま開かれている臨時国会は、2つの点で歴史に刻まれる。衆参両院の憲法審査会の始動、そして原発事故を受けた独立した調査委員会の設置である・・
この20年を振り返っただけでも、日本は難しい決断をいくつも迫られた。重要な政策判断について、国会が一度も第三者機関で検証したことがないという事実に、まず驚かされる。
1991年の湾岸戦争は、国際貢献のあり方をめぐる転換点となった。日本は130億ドル(当時で約1.7兆円)もの巨費を拠出しながら「カネだけを出して汗をかかない国」との厳しい批判を浴びた・・
93年のウルグアイ・ラウンド合意では、コメ市場の部分開放と引きかえに約6兆円の農業対策を決めた。90年代以降、バブル経済の後始末で金融機関に投入された公的資金は50兆円規模(うち現時点の損失確定は10兆円強)に上る・・
専門家からなる民間委員は、衆参両院の合同協議会が決める。参考人の招致や資料提出を国政調査権でサポートし、半年後の報告書の提出までを法で規定している。事件や事故を受けた国会の報告書自体が「薬害エイズなどを除きほとんど例がない」という・・
このページではかつて、イギリスの、イラク戦争を検証する独立調査委員会を紹介しました(2010年2月20日の記事)。