市町村では、街の復興計画づくりが進められています。国や県の復興計画は、基本的な方向と使う手法や制度の記述が主です。しかし、市町村では、どの地区をどのように使うかといった地図を作り、それぞれの場所に具体の事業を当てはめなければなりません。その過程で、住民の同意を取り付けなければなりません。特に津波被害を受けた地域は、元の状態に復旧することは、危険なのです。住宅や商店を移転する必要があります。
10月1日の朝日新聞に、鉄道を復旧する際のルート決定に関する記事が出ていました。津波被害を受けない位置に移す方向で、関係者が議論しています。しかし、駅は街の中心となるので、どこに作るかは住民の利害に直ちにつながります。
JR仙石線の東松島市の区間約6キロについては、内陸に移転することで、JR東日本と自治体が合意したとのことです。一方、JR常磐線の宮城県亘理町から福島県新地町の間約18キロの移設は、JRと沿線自治体とは同意しましたが、元の位置で復旧してほしいという住民も多いとのことです。
少し時間がかかりますが、地元で議論していただき、結論を出してもらう必要があります。「国が強力な権限で実行すれば、早く復興できる」といった意見をおっしゃる方もおられます。しかし、住民、自治体、JRを無視して第三者が決めることは、望ましくないでしょう。ご理解いただけると思います。