先日、藤本隆宏先生の「強い現場・弱い本部」を紹介しました(2011年5月19日の記事)。新聞切り抜きを整理していたら、3月29日の日経新聞経済教室に、先生が今回の大震災に関して、「現場重視を復興の起点に」を書いておられるのに気づきました。それにしても、長く放置してあったものです。ようやく、整理する時間ができました(反省)。重複する部分は省略するとして、いくつかを引用します。
・・こうした日本の組織は「緩慢に来る危機」には概して弱い。目標が定まらず、互いに見合って責任が曖昧になる。幕末の幕府、戦前・戦中の軍部ほか(丸山真男説)、バブル崩壊後の政府・金融界、等々。しかし「復興」局面には強い。目標が定まれば、互いの配慮と幅広い分業が協働効果をもたらすからだ・・
・・今は被災地の現場の復旧に関心が集中するが、より長期的には、日本に「良いものづくり現場」を残していくことが、経済社会の復活にとり必須だ。「広義のものづくり」はサービス業や農業も含むが、特に貿易財において「良い現場」を残すことが「強い日本の復興」の起点となる・・国内に良い現場を残すことは、もはや国家の経済安全保障上の重要事項である・・