2月13日の日経新聞「中外時評は」、滝順一論説委員の「原子力もガラパゴス。安全規制を世界標準に」でした。日本の原子力発電所の安全規制についての「特殊性」を論じています。
日本の安全規制は、これまでの事故などを踏まえて、積み重ねられてきました。それはそれで意味があるのですが、結果として安全性が高まったのかというと、専門家は首をかしげるそうです。国民へのリスクが増した恐れすらあるそうです。
安全を重視することはよいのですが、パッチワークの積み重ねで、全体を通した視点が欠けているようです。これは、外国の規制と比較した時に、明らかになります。島の中では素晴らしいと思っていても、島の外から見ると変だというのが、ガラパゴスです。外との競争のない世界では、独自の変化が起き、それが必ずしも合理的でないという例です。
その結果、施設や技術としては世界最先端であっても、管理ノウハウや安全の法体系は後れを取り、世界に輸出できないことになります。日本の社会のソフトエアが、世界に輸出されていないことについては、「社会の制度・インフラの輸出」(1月10日の記事)に書きました。