今晩、駅からの帰り道での出来事です。高円寺駅から南に続く商店街を歩いていたら、若い男女二人連れから、声をかけられました。「高円寺駅に行くのは、どちらですか?」と。私は、「まっすぐこの道を行くと、600メートルでJR高円寺駅。後ろに戻ると、400メートルで地下鉄の新高円寺駅ですわ」と答えました。「ありがとうございます」と答えて、彼らは進んでいきました。
ここまでは、背景説明です。別れてから、「こんな光景って、かつてあったよなあ」と、頭に浮かびました。いわゆるデジャ・ビュです。男女二人連れ、そのうちの女性が道を尋ねて、男性が後ろで所在なさそうに、しかし見張っているという光景です。
しばらく歩いて、思い出しました。あれは15年ほど前、欧州出張の時です。イギリスからパリのシャルルドゴール空港への到着便が遅れて、ドイツへの乗り継ぎが、うまくいかなかったのです。私の団は3人。私が一番若いので、空港内を走り回って尋ね、ここで待てばよいというところまで、たどり着きました。その時です。私たちの前で、日本人の熟年夫婦と思われる二人連れが、私たちと同様に、乗り継ぎ便を探しておられました。
旦那さんと思われる人曰く、「お前聞いてこい」。奥さんと思われる人が、私のところに来られて、事情を話され、「どうしたらいいのでしょう?」と質問されました。私は、知っている限りのことを、お伝えしました。あのときと同じです。
そのとき思いました。「日本の男性って、なんて情けないのだろう」と。それを、思い出したのです。日本男児すべてに適用できる、一般論ではないと思いますが。