10月14日の日経新聞に、「若年層収入、女性が上回る」という記事が出ていました。総務省の2009年全国消費実態調査によると、単身世帯、30歳未満の女性の可処分所得は月に21.8万円で、男性の21.6万円を上回りました。初めての逆転です。男性の所得が減少し、女性の所得が増加したのです。
その背景に、男性の比率が高い製造業は、海外移転で就業機会が減り賃金も上がらない。一方、女性の比率が高い医療や介護分野では労働力需要が高まり、就業機会も給与水準も上向きだというのが、記事の分析です。記事では、諸外国に比べ大きいとされていた日本の男女賃金格差も転換点を迎えつつあると、述べています。
男女格差が縮小することは、好ましいことです。これまでは、例えばパート勤務は正規雇用に比べ賃金が安い、そしてパートといえば女性であるというような「二重の差別」によって、女性の収入が少なかったのです。もちろん正規雇用にあっても、仕事の内容によって女性の収入は低く抑えられがちでした(2006年11月8日の記事)。男女格差が縮まるのはよいのですが、若年男性の所得が減っているのは、手放しでは喜べません。また、介護従事者の給与は低い、との調査結果もあります。