27日の朝日新聞「北欧に学ぶ、スウェーデン」から。
・・スウェーデンでは、確定申告が納税の基本だ。簡単な申告を可能にしているのが、生まれた瞬間に与えられる住民登録番号である。
企業など雇用側が払った給与や差し引いた保険料などを税務署に伝えるほか、金融機関も預金や株式売買による収入などの情報を、税務署に報告する。税務署がこれらをまとめて税額を計算し、国民は年度末に税額を計算し、自分のデータに間違いがないかを確認するだけ。
・・高負担を納得してもらうための一つの答が、地方分権だ。農村と都市、若者が多い町と高齢者が多い町ー地域事情にあった施設やサービスがあれば、それだけ満足度が増し、負担感は薄れる。
国、県、市町村が、役割を分担する。高齢者介護や障害者ケア、乳幼児保育などは市町村が、病院での医療は県が受け持つ。国は外交や防衛のほか、雇用や教育、住宅政策を担う。役割に合わせて、税源が地方に移された。
ウオメ大学のユナス・イドルンド助教授は「透明性が高いので、国民が仕組みを理解している。だから、選挙でむやみに減税を叫ぶ政党を、市民は怪しむ。そういう政党は、たいてい負けている」と言う。