奈良薬師寺

今日は、お誘いを頂いて、奈良薬師寺の村上定運師のお話を、聞かせてもらいました。名刺を交換すると、私の高校の後輩で、昭和60年生まれとのこと。ということは、25歳ですか。薬師寺の東京別院におられて、早稲田大学大学院でインド哲学を勉強中とのことでした。法相宗唯識についても、教えてもらいました。
若いのに、お話しが達者で、さすがですね。子どもの頃、父に連れられ薬師寺に行って、高田好胤師の法話を聞いたことがあります。最後は、お参りに来たみんなで、師のかけ声にあわせて、「行こう行こう、幸せの国に行こう。みんなで、幸せの国に行こう」と唱えるのです。子供心に、幸せになった気がしました。みんなで声を出すというところが、ミソですね。しかも、何度も「声が小さい」としかられるのです。う~ん、共通のテクニックですね。
薬師寺では、1300年前に立てられた東塔が、解体修理されます。10年がかりだそうです。

業務の進行管理

今日、消防大学校では、定例の月曜日打ち合わせ(今週は、昨日が休みだったので、火曜日打ち合わせになりました)。毎週、この場で、庶務課と教官とで、今週と翌週の仕事の打ち合わせをします。どこの職場でも、やっておられると思います。
その後で、幹部による、「業務進捗状況確認」をしました。年度初めに、「年間業務予定」を作ってもらいました。大きな課題を取り上げ、何月までに何をするかの表です(この表については、拙著『明るい係長講座』中級編p10をご覧ください)。その他、年間予定表に載らない「中期課題」も書き出してもらいました。その中間検査=進捗状況確認です。もちろん、日々、それぞれの課題の報告は受けています。しかし、一度中締めが必要です。そもそも、うまく進んでいない項目は、日々の報告では上がってきませんから。
3か月ごと=四半期ごとに確認するのが通常でしょうが、我が大学校では、7月末が一つの区切りなのです。課題はほぼすべて、順調に進んでいました。だから、ここに書けるのですがね。職員の皆さん、ありがとうございます。
もっとも、私の関心は、予定通りに進んでいない項目、新たに生じた課題です。順調に進んでいる項目は、課長や担当に任せておけばいいのです。うまくいっていない項目を把握し、対策を考えること。これが管理職の仕事です。そして、次の課題を考えること。これは職員の仕事を増やすので、喜ばれませんねえ(笑い)。

梅雨明け

全国で梅雨が明け、強い日差しと暑い気温が続いています。各地で豪雨災害が起きました。被害に遭われた方に、お見舞い申し上げます。
東京は今日も30度を超え、連休も3日目。これならば、美術館もすいているだろうと、出かけました。予想は大外れ。国立新美術館のオルセー展は、20分待ちで、会場も大変な混みようでした。人様の頭と後ろ姿、その合間から絵を見てきました。有名な絵がたくさん出展されていて、「これじゃ、今ごろパリに行った人は、何を見るのだろう」と思ったら、オルセー美術館の改装に合わせた「日本への引っ越し」だそうです。
日比谷に移動して、出光美術館の屏風展をはしご。こちらはすいていて、ゆっくりと見ることができました。落ち着いてゆっくり見ることができるのは、贅沢ですね。
原稿書きは、集中力が続かず、なかなか進まないです。困ったことです。

強い社会保障

古くなりましたが、7月9日の朝日新聞オピニオン欄「強い社会保障って?」、宮本太郎北海道大学教授の「現役世代支援するサービスを」から。
・・大陸ヨーロッパ諸国では「大きな社会保障支出」が「弱い経済」と「弱い財政・財政赤字」を引き起こしている。一方、北欧諸国では「大きな社会保障支出」が「強い経済」と「強い財政支出・黒字財政」と連動している。
なぜ同じ「大きな社会保障支出」が、異なる経済状況や財政状況を生むのか。重要な違いは、対国内総生産(GDP)比で比べた場合、オランダを除く大陸諸国は現金給付に重点を置いているのに対し、北欧諸国は公共サービスに重点を置いていることだ。
例えば北欧諸国では、現役世代を対象とした公的職業訓練や保育サービス、介護サービスなどの比重が大きく、現金給付も児童手当や教育期間中の所得保障など現役支援型だが、大陸諸国では年金の割合が高い傾向にある。
北欧型の社会保障は、人びとが失業や病気、出産や介護などで仕事ができなくなり、元気を失う前に支援しよう、若い世代に教育や技能習得の機会を与えよう、というものだ。この「翼の社会保障」が、結果として「強い経済」と「強い財政」と実現している。
逆に、人びとが元気をなくしてしまった後に、現金給付や休業補償をする「殻の社会保障」は、支出が多いほど経済の足を引っ張り、課税ベースを縮小させ、財政を不安定なものにしてしまう。これは「大きな社会保障」であっても、「弱い社会保障」だ・・
「強い社会保障」が「強経済」や「強い財政」につながる条件として、具体的には3点が重要だ。一つは人びとの「能力」を高めるものであること・・二つ目は「参加」だ・・3つめは「安心」だ・・
スウェーデンに行くと、大小さまざまな「社会保障ハンドブック」を売っている。出産した時、失業した時、病気になった時、どういうサービスを受けられるのかが容易にわかる。スウェーデンの中学の教科書は、社会保障の話に多くのページを割いている。日本でもぜひ取り入れて欲しい・・

大学院春学期終了

日本大学法学部大学院での春学期講義が完了しました。講義では、社会のリスクと行政の役割を鳥瞰し、行政のリスク管理・危機管理の問題点を整理しました。
これまで、行政の危機管理に関する本をいくつか読んで、疑問に思っていました。私の経験に照らして、違和感があるのです。大災害にあった時と不祥事を起こした時を、一緒に論じるのは変です。危機の際の指導者論も不祥事の際のおわびの仕方も、それぞれ重要ですが、それは行政学の本筋ではありません。
県庁総務部長、総理秘書官、そして消防大学校の勤務を通して、いろいろ考えました。今回、講義の機会をいただいたので、今までの考えを整理することができました。このような「締め切り」が無いと、なかなか考えをまとめることができません。また、学生という「観客」兼「批評者」がいてくれると、独りよがりにならずにすみます。毎週土曜日におつき合いいただき、ありがとうございました。この後、レポートの採点が待っています。