日本大学法学部大学院での春学期講義が完了しました。講義では、社会のリスクと行政の役割を鳥瞰し、行政のリスク管理・危機管理の問題点を整理しました。
これまで、行政の危機管理に関する本をいくつか読んで、疑問に思っていました。私の経験に照らして、違和感があるのです。大災害にあった時と不祥事を起こした時を、一緒に論じるのは変です。危機の際の指導者論も不祥事の際のおわびの仕方も、それぞれ重要ですが、それは行政学の本筋ではありません。
県庁総務部長、総理秘書官、そして消防大学校の勤務を通して、いろいろ考えました。今回、講義の機会をいただいたので、今までの考えを整理することができました。このような「締め切り」が無いと、なかなか考えをまとめることができません。また、学生という「観客」兼「批評者」がいてくれると、独りよがりにならずにすみます。毎週土曜日におつき合いいただき、ありがとうございました。この後、レポートの採点が待っています。