今日、消防大学校では、救助科の学生たちが、自ら企画した訓練を行いました。6人ずつが10の班に分かれ、それぞれが「災害現場」をつくります。増水で川の中州に取り残された親子、高層ビル外壁で宙づりになった作業員、縦穴の中に転落し酸欠状態になった作業員、崖下に転落した自動車と運転手などなど。そして、ほかの班が、その想定の下で救助するのです。明日も、同じ想定で、別の班が訓練します。
学生が自分たちで、事故と救助方法を考えるというところが、ミソです。教官に指示された内容や方法でなく、自らが考える。教育訓練の理想像です。もちろん、企画を練り上げるまでには、大変な労力がかかります。また、事前に練習をやってみて、可能なものかを確かめる必要もあります。時間と手間暇が、かかるのです。でも、彼らは、所属の消防本部に帰って、今度は自分たちが教官を務めなければなりません。
今日は、東京消防庁ほか、川崎市、相模原市、埼玉県央消防本部、川越市から、救助隊が支援に来てくれました。同じ想定の下で、お手本を示してくれます。明日も、さいたま市、横浜市、横須賀市、宇都宮市から、支援に来てもらいます。ありがたいことです。
この訓練は、消防関係者の間では結構な人気で、見学者がたくさん来てくれました。宣伝したわけではないのですが、「訓練要領」パンフレットは、300部なくなりました。これまた、うれしいことです。