インターネットで調べていたら、消防関係のホームページって、たくさんあるのですね。消防本部が作っているのは当然として、関係者がいろいろ専門的なホームページを作っておられます。
先日、「火災調査探偵団」の作成者さんと、お会いする機会がありました。「私のホームページで宣伝しますわ」と請け合ったので、今日ご紹介します。
このサイトは知っていたのですが、匿名なのでわかりませんでした。でも、私の周りの人にきくと、「みんな、作者は誰か知っていますよ」と有名でした。そりゃ、これだけ専門的なことを書ける人は、少ないですわね。情報量の多さに、脱帽です。
火災原因調査を見ると、いろんな物から火が出るのですね。消防署の訓練なども、お勧めです。日記のページも。
月別アーカイブ: 2010年3月
日本はどこへ行くのか・その5
リーダーには、目標(戦うべき敵)を示すことと、その道筋を示すこと、そして国民に納得させることが期待されると述べました。
どのような国と社会をつくるのか。キャッチアップ型発展に成功したので、もはや「欧米」といった便利なお手本はありません。目標にしろ、道筋にしろ、いろんな課題に取り組み、成功と失敗を繰り返しながら見いだすしかありません。具体的には、これからの試行錯誤の過程を経て、見えてくるのでしょう。しかし、基本的にしなければならないことは、見えています。それは、次のようなものです。
1 まず、リーダーと国民は、何と戦わなければならないか。すなわち、克服しなければならないことは何かです。
実は、目標を示すことより、戦うべき敵を示すことの方が重要です。なぜなら、日本を成功に導き、そして停滞をもたらした要素は、日本人の思考形態であり、日本社会の構造だからです。これは、これまでの「国際環境」と「国民」で書きました。敵は内にあるのです。「坂の上の雲」でなく、我が内なる病巣です。
しかし、自らの欠点を認め改革することは、困難なことです。しかもその要因が、かつての成功をもたらしたのです。関係者は、それを否定されることを拒否します。その仕組みに依存している既得権益者も多いのです。
戦わなければならない日本人の思考形態、日本社会の構造の一つは、繰り返しになりますが、「キャッチアップ型思考からの脱却」です。
日本は多くの面で、世界最先端の国になりました。日本がトップランナーになったのです。すると、先駆者として、新しい課題に最初に直面するのです。例えば、日本は世界一の長寿国です。そこで、どのようにして、高齢社会を活力あるものにするのは、日本が実験するのです。お手本はありません。
そして、お手本を見て追いかけることに比べて、試行錯誤は効率が悪いです。それに、私たち日本人は慣れていません。
また、その際に重要なのは、課題を設定することです。これまでは、課題は与えられました。その試験問題に、より良い答案を書くことでした。これからは、何が重要な課題かを判定しなければなりません。受験秀才ではダメなのです。
もう一つ戦わなければならないことは、「内向きの満足からの脱却」=「第3の開国」です。
この20年の日本の停滞は、日本のガラパゴス化によるものだと、何度もこのホームページで書きました。世界最先端の技術や経済を達成したことに満足しました。しかし、グローバル化が進んだ世界では、内向きに安定する考えでは、世界から取り残され、衰退します。活力を持つために、世界で引き続き挑戦し、競争する必要があります。
また、国際社会の秩序づくりやルールづくりに、貢献することも必要です。他国が作ったルールで勝負するようでは、その時点で、後れをとっています。先に述べた「何が重要な課題かを判定する」ことが、ここにつながります。(この項続く)
日本はどこへ行くのか・その4
しばらく放ってあった「日本はどこへ行くのか」の続きです。今回は、要因の3「リーダー」です。
私は、社会を発展させるのは国民の活動であって、リーダーではない、と書きました。例えば、キャッチアップ型発展を選んだ後、高度成長の成功は、リーダーの判断によるというよりは、国民の働きによるところが大きいでしょう。
しかし、いま、第3の転換点を迎え、リーダーの役割が重要になっています。なぜ、矛盾したようなことを言うのか。それは、国民が進むべき道を悩んでいる、これまでの道では解決しないからです。そこで、リーダーの出番が出てきました。
リーダーの判断には、二つの次元のものがあると思います。日々の判断と、大きな変革期のものと。いま問われているのは、後者のものであり「進むべき道を示すこと」です。
近代日本の3つの転換点とは、よく言われるように、明治維新と戦後改革と、今回です。3つの成功の後に来た、停滞と危機です。最初は、徳川幕府による平和と安定の後に来た、列強からの遅れと植民地化の危機。これを、開国と明治維新で、転換に成功しました。次は、明治国家の成功の後の来た敗戦です。これを、民主化と開発型成長に転換しました。そして、いま、高度経済成長の成功の後に来た停滞に悩み、次の転換を模索しています。
国民に対し、進むべき道を指し示すのがリーダーだとすれば、現時点でのリーダーには、次のようなことが期待されます。一つは目標を示すことです。裏から言えば、戦うべき敵を示すことです。もう一つは、その目標を達成するための道筋です。そしてそれを国民に納得させることでしょう。
国民は、エネルギーを持っています。それを引き出し、ある方向に導く。明治維新の時も、戦後改革の時も、国民は自信を失いどう進んだらよいか、大いに悩みました。議論は別れ、路線対立も激しかったです。それを統一する過程が、リーダーの力量なのでしょう。大久保利通と吉田茂を、代表にしておきます。
明治国家の成功を、司馬遼太郎さんは「坂の上の雲」という小説にしました。そこでは、雲が一つでした。そして上る坂道も。もし国民が、一人ずつ違った雲を目指して、別々の山を登ったら、国家としては、これほどまでに成功しなかったでしょう。
目標を示し、道筋を示す。そして、国民のエネルギーを導くこと。過度に自信を失っている国民に、自信を取り戻させること。これが、転換期のリーダーの仕事です。
大津波警報
昨日出されたチリ沖地震の津波警報は、すべて解除されました。いくつかの被害は出ましたが、人的被害はなかったようです。