3月17日付け朝日新聞「報道と人権委員会」が、政治資金規正法違反事件について検察の捜査とメディアが批判を受けたことに関して、議論していました。その発言の中から。
長谷部恭男東大教授:権力は一元的であるべきか、多元的であるべきかという点について、人々の思いが一元化の方向に流れている。司法・検察やメディアを、民主的な正統性を与えられた権力とは違った中間権力と位置付け、多元的にバランスを取るのが良き社会というイメージがあったが、総選挙で政権が交代した後、権力の正統性は一元的に政府、政権に集中すべきだという危険な声が広がっている。国政選挙に勝つための「政治」と、国民の利益や国益を実現して維持するための「統治」が混同されている・・
月別アーカイブ: 2010年3月
その時代の意味
歴史書の表題をみていると、うまい表現だなあと、感心するものがあります。例えば、講談社の「日本の歴史」シリーズ(2002年頃発刊、講談社学術文庫に収録中)には、次のような本があります。
「文明としての江戸システム」「維新の構想と展開」「明治人の力量」「日本はどこへ行くのか」など。単に「××時代の歴史」といった表題と違い、視角が鮮やかで、その時代の特徴を一言で切り取っています。もちろん、視角がはっきりしているということは、その他の見方を切り捨てているということですが。
これらの表現に触発されて、現在の日本はどれだけの構想を持ち、力量を持っているのか、考えさせられます。また、後世の人から、どのような時代であったと評価されるのか、これまた想像してみます。
その他、講談社の「興亡の世界史」シリーズ(現在刊行中)には、「大英帝国という経験」「東南アジア 多文明世界の発見」「モンゴル帝国と長いその後」などもあります。これらも「なるほどね」と、思います。東京大学出版会の「新しい世界史」シリーズ(1987年頃)の「支配の代償 英帝国の崩壊と「帝国意識」」なども、表題だけで歴史の見方が変わりますね。
中間権力の重要性
3月17日付け朝日新聞「報道と人権委員会」が、政治資金規正法違反事件について検察の捜査とメディアが批判を受けたことに関して、議論していました。その発言の中から。
長谷部恭男東大教授:権力は一元的であるべきか、多元的であるべきかという点について、人々の思いが一元化の方向に流れている。司法・検察やメディアを、民主的な正統性を与えられた権力とは違った中間権力と位置付け、多元的にバランスを取るのが良き社会というイメージがあったが、総選挙で政権が交代した後、権力の正統性は一元的に政府、政権に集中すべきだという危険な声が広がっている。国政選挙に勝つための「政治」と、国民の利益や国益を実現して維持するための「統治」が混同されている・・
2番手をやめ、世界一を目指せ
国際貢献
19日の朝日新聞は、イラクでの世論調査を載せていました。自衛隊の2年半の駐留については、良かったが79%です。自衛隊の活動が役に立ったかは、77%の人が肯定的です。自衛隊が駐留して日本に対する見方が良くなったという回答は74%でした。うれしいですね。
ところが、朝日新聞は、この調査結果は3ページ目で小さくコメントし、データは7ページ目に載せています。一方、1面では、工事が手抜きであることを、写真付きで大きく伝えています。ちょっと見ただけでは、イラクでの自衛隊の活動は大きな問題があったのだと思ってしまいます。この扱いを、バランスを失していると考えるのは、私だけでしょうか。