厚生労働省が、26日に、経済連携協定(EPA)に基づき来日したインドネシア人とフィリピン人の3人が、看護師の国家試験に合格したと発表しました。初めて門戸を開いたことは良いことです。しかし、3人という数字を、どう評価しますか。
27日付け日経新聞によると、昨年は受験者は82人で合格者はゼロ、今年は254人が受験して合格は3人です。全体の合格率が90%に対し、EPAで来日した外国人の合格率は1%でしかありません。日本人ならほとんどの人が合格するのに、彼らが合格しないのは日本語の壁によります。外国人にとって日本語が難しいことと、さらに専門用語が難しいのだそうです。
また、認められた滞在期間は3年で、受験機会は3回までです。介護福祉士にあっては滞在期間が4年ですが、3年の実務経験が必要なので、受験機会は1回になります。
日経新聞の記事には、各国の労働力人口に占める、外国人の割合が図示されています。アメリカが15%、ドイツ・イギリス・フランスが5~10%です。それに対し、日本は1%です。もちろん、移民でできた国アメリカ、植民地からの人を受け入れたイギリス・フランス(もっともこの人たちの多くは、イギリス国籍やフランス国籍を持っていますから外国人ではありません)、労働力不足の時にトルコなどから労働力を受け入れたドイツというように、歴史が違いますが。
「失業者が多い時に、外国人労働者を受け入れるのか」という意見もあります。しかし、介護の現場や3Kの職場で、日本人労働者が不足し、外国人労働者に頼っている、頼ろうとしていることは事実です。