2月13日の朝日新聞、長尾真国立国会図書館長へのインタビューから。
グーグルが世界中の書籍をデジタル化する「電子図書館」事業について。
・・人類のあらゆる知識や情報を収集・整理して世界中の人に提供するんだというグーグルの理念自体は、評価して良いんじゃないかと思います。その点は、図書館の精神と同じですから。しかし、資金力のある一企業が、世界中の知識を独占的に集めることには危険性を感じます・・
グーグルのデジタル化は英語圏だけの書籍を対象とし、日本語の著作は除外される点について。
・・僕は喜んでいるわけにはいかんと思うんです。英語の書籍は膨大で、世界中の利用者は、グーグルで探してなければ、もうその本はないんだと思っちゃう可能性が大きい・・
書籍のデジタル化が避けられないことに関して。
・・公共図書館は無償利用が原則ですが、ネットを通じて日本中に無料で提供すれば、著作者の生活がなりたたなくなり、出版社がつぶれることは明らかです・・
米英仏独、それに韓国や中国でも、国が巨費を投じてデジタル化を進め、世界的に電子図書館化の流れは急速です。韓国では、デジタル化した書籍をネット配信し、国が作家や出版社など著作権者に一定の補償金を払い、利用者も料金を負担しています・・