今日は、消防大学校の危機管理・防災教育科の一つとして、「トップマネージメントコース」を行いました。市町村長や副市長・危機管理監などを対象としたもので、大規模災害時の対応能力向上が目的です。専門家による講義と図上訓練とで、構成しています。
吉井博明東京経済大学教授のお話を、私なりに膨らませると、次のようになります。
大規模災害時には、被災現場がどうなっているかわからない=情報不足と情報の混乱。被害情報がないのは、電話が通じないからかもしれません。それは、しばしば同時に多発しています=全体像がわからない。しかし、待っていられない=急を要する。そして大災害時には、対応能力が不足している=消防職員では足らない。といった制約の中で、どこにどれだけの職員を送るか、どのような支援を求めるか、市民にはどのように伝えるかなど、首長の責任は重要です。
通常は、部下職員が情報を上げ、また案を持って伺いに来ます。しかし、災害対策では、待っていられないのです。また、市長が、市役所や市内にいない時もあります。その時は、誰が代行するか。
備えと訓練しか、方法はありません。先生は「過去問から学び、模擬試験で鍛える」と、表現されました。そして、首長も職員も入れ替わっていきます。
訓練にも、図上訓練と実動訓練があり、それぞれに、いくつかの手法があります。阪神淡路大震災以来、関係者の関心も高まり、より洗練されてきています。日野宗門先生の方法は、状況予測型図上訓練=イメージトレーニング方式です。参加者が一定の条件を与えられ、状況を予測し、するべき対応を考えるという方法です。