22日の朝日新聞「補助線」は、山田厚史さんの「金融商品取引法。消費者保護、だれの仕事」でした。
・・生命保険が、組織を挙げて「不払い」に取り組んでいた。「消費者も勉強しなけりゃ」といわれるが、強引な勧誘や無知につけ込む商売を監視し罰するルールを作るのが政府の仕事だ。
金融商品取引法が、9月から施行されるが、この新法に保険や預金、融資など金融の中核商品は一部の高リスク商品を除いてほとんど含まれていない・・
80年代、英国で起きたビッグバンは自由化で顧客が食い物にされない厳しいルールを業者に課した。1986年の金融サービス法である・・・遅ればせながら日本でも、2004年、「金融商品全体を包括するルール作り」が金融審議会の方針となり、日本版金融サービス法への期待が膨らんだ。ところが、1年余りの議論で包括ルールの看板は消えた。
「専門委員として加わった保険や銀行界の人らが慎重論を主張し、まとまらなかった」と原早苗委員はいう。商品先物も対象になったが、金属や農産品を所轄する経産省や農水省が抵抗した。業界や役所を交えての調整には、限度がある。政治家が高い視点から判断すべき課題だが、「党の壁も厚かった」と関係者はいう。自民党には業界・役所を代弁する族議員は大勢いるが、消費者を代弁する実力者はいなかった・・・