難民鎖国・日本

22日の日経新聞経済教室、滝澤三郎・国連難民高等弁務官事務所駐日代表の「難民受け入れへの日本の対応」から。
・・難民保護には、難民を自国で受け入れて保護する直接的方法と、難民を大量に受け入れる発展途上国へ資金援助する間接的方法の二つがある。日本の難民政策の特徴は、間接的難民保護の比重が大きく、難民受け入れが制限的な点にある。
受け入れ数の少なさは、世界的に有名だ。日本は1978年から2006年にかけてインドシナ難民11千人を受け入れたが、1981年に加入した難民条約のもとでは、今日までに451人の難民を受け入れたにすぎない。このため毎年難民を数千人受け入れている欧米諸国をはじめとする世界には、日本が「難民鎖国」をしていると映り、人道問題に対する関心の薄さ、国際的な責任分担姿勢の欠如、日本の「鎖国性」の象徴と考えられてきた。これは日本のイメージを悪化させる高い「機会費用」といえよう・・

レポート採点講評

95人の力作を、読ませてもらいました。
評価基準は、課題を示した際にあわせて書いておきましたが、採点の際に気づいたことを、書いておきます。
1 具体事例を扱うこと
これについては、ほとんどの人が守っていました。アスベスト規制問題、BSE牛問題、薬害エイズ、教育改革、米政策、幼保一元化、通信政策、防衛省改革、タクシー参入規制など、様々な問題を取り上げていました。
なお、公務員批判、官僚主導、公務員改革論を取り上げているのがたくさんありましたが、授業の内容を越えないレポートは、具体性に欠けるので評価は低くなります。
2 単なる批判や感想ではなく、問題が生じる構造を論じること
これも、大半の人が守っていました。もっとも、居酒屋タクシーや年金記録問題を取り上げた中に、問題の指摘に終わり、行政構造からの分析がないものが、いくつかありました。また、政治家と公務員との区別をせずに議論しているものも、私の授業の理解が不十分なので、点数は低くなります。
3 あなたの考えを書くこと
これも数人の人を除き、守っていました。授業の内容を要約しただけのレポートがいくつかありましたが、これは評価が低くなります。自分の考えが書いてあれば、それが少々変でも、Bにしました。
具体事例を調べていた場合は、努力点としてBにしました。中には、事実を間違っているものもありましたが、よく調べてあれば評価しました。
もっとも、分量が多くても、引用ばかりのものはCです。具体事例を取り上げつつも、授業の内容を当てはめただけのものもありました。これも点数は低いです。
4 冒頭に、結論(ポイント)と目次を書き、文中に見出しを立てること
これも、数人の人を除き、守っていました。もっとも、目次と見出しがあっていないものもありました。
誤字は、数人の人だけ、「とんでもない」ものがありました。
5 全体について
今回は、文句なくAの人が多かったです。読んでいて、感心しました。
「最初に結論を書き、文中では見出しを立てること」を指示したのは、正解でした。読んでいて、わかりやすかったです。たぶん、作成者(学生)も、自分の考えが整理できたのだと思います。
他の授業やゼミの内容を「活用」または「流用」している、と思われるものがありました。複数の人のレポートの内容が、よく似ているのです。その場合も、意見を書いてあるかなど、通常の物差しで評価しました。

採点

家にこもって、レポートを読んでいます。これって、結構な重労働なのです。
ようやく、採点を終わりました。講評を書いておいたので、学生諸君は読んでおいてください。

国の出先機関移譲、国と地方との協議

地方分権委員会で、国の出先機関見直し議論が進んでいることを、各紙が伝えています。26日の朝日新聞は、「ニュースがわからん」で、「分権のため、仕事と人を自治体へ。無駄も省くよ」と、わかりやすく解説していました。別の記事では、全国知事会と国交省との協議を、伝えています。・・知事が中央省庁に出向くのは「陳情」が通り相場だったが、25日は違った。国道と1級河川の管理権限を、国から都道府県に移す問題で、全国知事会の地方分権推進特別委員長の山田啓二京都府知事らが25日、国土交通省に乗り込み、幹部らと議論した。政府は6月、直轄国道の15%、1都道府県に収まる1級河川の40%を都道府県に移管する方針を固めたが、具体案づくりはこれから。山田氏らが、事業費などの裏付けの確認を迫った。だが、出先機関の削減問題に直結するテーマだけに、国交省側は「財源確保は政府全体の話。我々では保証できない」と一般論で答えるばかり。議論は空回りした・・