22日の日経新聞経済教室、滝澤三郎・国連難民高等弁務官事務所駐日代表の「難民受け入れへの日本の対応」から。
・・難民保護には、難民を自国で受け入れて保護する直接的方法と、難民を大量に受け入れる発展途上国へ資金援助する間接的方法の二つがある。日本の難民政策の特徴は、間接的難民保護の比重が大きく、難民受け入れが制限的な点にある。
受け入れ数の少なさは、世界的に有名だ。日本は1978年から2006年にかけてインドシナ難民11千人を受け入れたが、1981年に加入した難民条約のもとでは、今日までに451人の難民を受け入れたにすぎない。このため毎年難民を数千人受け入れている欧米諸国をはじめとする世界には、日本が「難民鎖国」をしていると映り、人道問題に対する関心の薄さ、国際的な責任分担姿勢の欠如、日本の「鎖国性」の象徴と考えられてきた。これは日本のイメージを悪化させる高い「機会費用」といえよう・・