先日紹介した、平野雅章『IT投資で伸びる会社、沈む会社』から。
・・「情報システムでは必ずトラブルが起きるものです」というと、驚かれるか不愉快な思いをされる読者もいらっしゃるかと思いますが、事実ですから仕方ありません。一般に、機械やシステムの信頼性を100%にすることは、技術的・経済的に不可能です・・
経営者が、あたかもトラブルの起きない情報システムや、事故の起きない原子炉が存在しうるように考えたり説明したり、記者会見で「二度とこのようなことが起きないようにします」と頭を下げることは、不可能なことの空手形を切っているのであり、自分自身と社会に対する欺瞞でしかありません。・・責任のある経営者は、システムトラブルが確率的に起きることを前提に、事業のリスクや責任の取り方を考えているものです・・(p120)。