・・成長力の強化や国民本位の行財政改革など総論や看板には異論がないが、各論となると各省庁や政治家の要望を並べたところや、中身が薄いところが目立つ。骨太の名にふさわしい内容とは言い難い。
01年の小泉純一郎政権時代に始まった「骨太方針」の本来の狙いは首相の指導力発揮によって、改革の障害を乗り越えることだった。各省庁任せの政策決定では、省益や政治家の既得権益の壁に阻まれる。このため、民間の有識者を含めた経済財政諮問会議を「改革の司令塔」として活用、首相が後押しする仕組みをつくった。
小泉首相退陣後の07年の骨太方針からそうした性格は薄れてはいたが、今回はそれに拍車がかかったように見える。昨年夏の参院選敗北で自民党内から改革路線への反発が噴出したことが背景にある。福田首相も、党内からの様々な圧力をはねのけられなかった・・。
この社説の標題が指摘しているように、最近の骨太の方針には、2つのものが含まれています。行財政改革を目指す「メリ」の部分と、施策の拡充を目指す「ハリ」の部分です。「骨太の方針2008」だと、第4章がメリで、第5章がハリになります。